ヨーク最終日

3日間開催のヨーク競馬場がフィナーレを迎えました。最終日のG戦はヨークシャー・カップ Yorkshire Cup (GⅡ、4歳上、1マイル6ハロン)一鞍。
今年は世界的に天候不順で、イギリスも例外じゃありません。開催初日は雨に祟られたヨークも、二日目は一気に回復してダンテ・ステークスまでは夏の陽射しに恵まれました。ところが後半のレースは一転して嵐が戻り、土砂降りの雨。それもあって3日目の馬場は soft 、所により good to soft という状態で、馬場を気にする馬の陣営では大いに気を揉まされたようです。

ということで当初登録の9頭のうち、出れば人気になると思われたカヴァリーマン Cavalryman が取り消し。残った8頭から11対4の1番人気に支持されたのは、フランス(フランソワ・ドゥーメン厩舎)から遠征してきたトップ・トリップ Top Trip 。去年のオカール賞勝馬で仏ダービーとパリ大賞典が何れも5着、今期は前走ダルクール賞(GⅡ、6着)を使われての参戦です。カナダ・インターナショナルを制した国際馬ジョシュア・トゥリー Joshua Tree が7対2で2番人気。
レースは最低人気(25対1)グレンズ・ダイアモンド Glen’s Diamond の逃げ。トップ・トリップは中団で流れに乗ります。しかし流れに気持ち良く乗っていたのはグレンズ・ダイアモンドも同じで、最後の直線で一旦は本命馬に交わされそうになりましたが、渋太く粘って写真判定に持ち込み、結局はハナ差で先着してしまいました。3馬身4分の1差で、去年の愛セントレジャー馬ロイヤル・ダイヤモンド Royal Diamond (11対1、6番人気)が3着。ジョシュア・トゥリーは6着敗退。

前日のダンテ・ステークスに続き大穴を開けたグレンズ・ダイアモンドは、これまた勝馬に相応しくヨークシャーを本拠とするリチャード・ファヘイ師の管理馬。ファヘイ師は生憎風邪で寝込み、この日は競馬場に姿はありませんでした。喜びが隠せない調教助手は、“この勝ちが何よりの処方箋になりますね”とコメント。
去年までファヘイ厩舎の主戦はポール・ハナガンでしたが、マクトゥーム・ファミリーの主戦に選ばれたため離脱。ファヘイ厩舎の馬には、今期からは若手のトニー・ハミルトンが騎乗する機会が多くなっています。この日も馬をリラックスさせて勝利に導いたハミルトン、これまでで最も大きいレースを制覇したことになります。
グレンズ・ダイアモンド、実は去年のこのレースでレッド・カドー Red Cadeaux の2着だった馬で、同じヨークシャー州のチェスター競馬場で行われた2011年のディー・ステークス以来の勝星となります。本来は重い馬場は苦手なタイプで、急変した馬場に取り消しを考えたほど。それでも出走に踏み切ったのは、地元ヨーク競馬場でのビッグチャンスだったからに他なりません。

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