王者が戻ってきた
昨日の土曜日、ニューバリー競馬場で今シーズン最も待たれていたレースが行われました。そう、世界最強馬フランケル Frankel の復活、4歳デビューです。
舞台はロッキンジ・ステークス Lockinge S (GⅠ、4歳上、1マイル)。直線の1マイルコースで行われるGⅠ戦、今期英国で行われる最初の古馬GⅠ戦でもあります。馬場状態は good 、所により good to soft という理想的なクッションでしょう。ストロング・スート Strong Suit が取り消し、6頭立て。
実はフランケルを巡っては事前に様々な情報が飛び交っていました。当ブログでは一々紹介しませんでしたが、調教過程でフランケルが脚部に負傷、気の早いマスコミが「故障、引退へ」というような記事を流したのですね。
しかしこれ等は杞憂。陣営は負傷箇所のスキャンを撮り、無事を確認。調教を10日間休む遅れはあったものの、順調に調整が進んで昨日の出走に漕ぎ着けました。
一方これに挑戦するエイダン・オブライエン陣営も期待充分。去年までマルコ・ボッティ厩舎が管理していたエクスセレブレーション Excelebration を移籍、去年の年度代表馬に初黒星を付けようと虎視眈々、シーズン初戦のグラッドネス・ステークス(GⅢ)を完勝して準備を整えてきました。
実は2頭は3歳時に既に二度対決、セント・ジェームス・パレス・ステークスとクィーン・エリザベスⅡ世ステークスで激突しましたが、両度とも軍配はフランケル。エクスセレブレーション陣営としては、古馬になっての逆転に賭けたいところ。
オッズは三度目の対決に沸き、フランケルが2対7の断然1番人気、エクスセレブレーションは10対3の2番人気に支持されていました。両陣営共、夫々のエースのためにペースメーカーを準備、万全の態勢で臨みます。
レースは先ずフランケルのペースメーカーを務めるブレット・トレイン Bullet Train (フランケルの半兄、もちろんヘンリー・セシル厩舎、アブダッラー殿下所有)が飛ばします。フランケルは直ぐに2番手に付けますが、去年のように行きたがって掛かる仕草は見せません。
方やエクスセレブレーションのペースメーカー役ウインザー・パレス Windsor Palace はスピードに付いて行けないのか、3番手止まり。ジョセフ・オブライエン騎乗のエクスセレブレーションはその隣、フランケルの直後に付けて機を窺います。
相棒・トム・クィーリーが勝負所で手を動かすと王者の反応は一瞬、フランケルがスーッと前に出ます。期せず起こるスタンドの歓声。やはりチャンピオンは強かった、あっという間に後続を引き離してシーズン初戦を見事にクリアー。エクスセレブレーションも懸命に追いますが、差は逆に離れるばかり。結局はフランケルに5馬身差、又しても2着に終わりました。
3着は更に4馬身差が開いてデュバウィ・ゴールド Dubawi Gold 。去年の2000ギニーでフランケルの2着した馬ですから、決して凡馬ではありません。その後は3馬身でブレット・トレイン、7馬身でランソム・ノート Ransom Note と続き、しんがりのウインザー・パレスは更に2馬身遅れ。
フランケルはこれで無傷の10連勝、GⅠは6勝目となります。復習すると、2歳時のデューハースト・ステークス、去年は2000ギニー、セント・ジェームス・パレス・ステークス、サセックス・ステークス、そしてQEⅡ。
次走はロイヤル・アスコットが予定されていますが、1マイルのクィーン・アン・ステークスの他に10ハロンのプリンス・オブ・ウェールズ・ステークスにも登録があります。もちろん共にGⅠ戦ですが、陣営がどちらを選ぶかが大注目。
明らかに3歳時のカリカリする癖がなくなり、古馬として成熟した姿をファンの前に披露してくれました。距離延長も克服できるでしょう。
これまでの2年、いずれもシーズン初戦を経験した後で気合がグンと上がってきただけに、今シーズンのフランケルには更に期待が高まりますね。
まとめtyaiました【王者が戻ってきた】
昨日の土曜日、ニューバリー競馬場で今シーズン最も待たれていたレースが行われました。そう、世界最強馬フランケル Frankel の復活、4歳デビューです。舞台はロッキンジ・ステークス…