2016グローリアス・グッドウッド4日目

グッドウッド競馬場のグローリアス・グッドウッド開催、4日目はG戦が4鞍と開催中最も多い一日でしたが、その内3鞍は余り注目されていないGⅢ戦。スポーティング・ライフ誌もレーシング・ポスト誌もほとんどレポートを掲載していませんので、ここは簡単に纏めておきましょう。
4日目の馬場も good to firm で変わりありません。

先ずグローリアス・ステークス Glorious S (GⅢ、4歳上、1マイル4ハロン)は1頭が取り消して7頭立て。前走ロイヤル・アスコットのハンデ戦(デューク・オブ・エディンバラ・ステークス)でアンラッキーな3着だったキングズ・フィート Kings Fete が5対2の1番人気。
4番人気(6対1)でデットーリが騎乗したアイラッド Ayrad が逃げ、3番手を追走したキングズ・フィートが期待に応えて抜け出し、アイラッドを4分の3馬身差し切って優勝。5馬身の大差が付いて、後方から追い込んだ最低人気(16対1)のマジード Majeed が3着に入っています。

サー・マイケル・スタウト厩舎、ライアン・ムーア騎乗のキングズ・フィートは、3歳時にセントレジャーに挑戦して9着だった馬。4歳シーズンは去勢したこともあって未出走に終わりましたが、今年は久し振りの実戦となったグッドウッドのリステッド戦で5着し、前走がロイヤル・アスコット。これがG戦初勝利ですが、勝鞍は2年振りとなります。

続いてサラブレッド・ステークス Thoroughbred S (GⅢ、3歳、1マイル)。ここも2頭の取り消しがあって9頭立て。前走ジャージー・ステークス(GⅢ)で2着したシクリヤート Thikriyaat が9対4の1番人気。
2番人気(10対3)で一時はクラシック候補だったエモーションレス Emotionless が逃げましたが、1ハロン地点からは替って最低人気(25対1)のライト・アップ・アワ・ワールド Light Up Our World が先頭。5番手に付けたシクリヤートは漸く開いた間隔を鋭く抜けると、同じく7番手から伸びる3番人気(9対2)のフォージ Forge に半馬身差で人気に応えました。更に4分の3馬身差でライト・アップ・アワ・ワールドが粘って3着。

勝った馬、2着馬は共にサー・マイケル・スタウト師の管理馬で、一昔前の競馬シーンを思い出したファンも多かった様子。勝馬にはポール・ハナガンが、2着馬にはライアン・ムーアが騎乗していました。スタウト師はグローリアスに続いてG戦ダブル達成です。
シクリヤートとフォージはジャージー・ステークスの2・3着でもあり、特にシクリヤートは今期、ニューマーケットの条件戦とリステッド戦を連勝してロイヤル・アスコットに挑戦したせん馬。これで5戦4勝2着1回とほぼ完璧な成績で、これからもマイル路線を中心にG戦線を賑わす存在になりそうです。

三つ目はこの日唯一のGⅡ戦、キング・ジョージ・ステークス King George S (GⅡ、3歳上、5ハロン)。17頭と短距離界を代表するメンバーが集結する混戦となりましたが、人気も割れて前走ヨークでハイレヴェルのリステッド戦に1・3着した、夫々3歳馬のマーシャ Marsha と6歳馬のムスミール Muthmir が5対1で並ぶ1番人気。特にムスミールには去年に続く連覇と言う期待が掛かっていました。
ダッシュ良く飛び出したのは、4番人気(8対1)のテイク・カヴァー Take Cover 。この日は特に調子が良かったのか、コースを内に切れ込んで何頭かに迷惑をかけながらも、後方から追い込む同じ8対1のワシントン・ディーシー Washington Dc に首差で優勝。ゴールでは5頭が首・頭・短頭・頭差と並ぶ大接戦でしたが、3着は7番人気(12対1)のゴールドリーム Goldream が入り、3番人気(13対2)のイーストン・エンジェル Easton Angel が4着、人気のマーシャ5着、ムスミールも6着に食い込んでいました。

デヴィッド・グリフィス厩舎、デヴィッド・アラン騎乗のテイク・カヴァーは一昨年の勝馬で、去年も2着していた9歳せん馬。この日のG戦は3鞍続けてせん馬が勝つという珍しい結果でもありました。
1着から3着までは全て、8月19日のナンソープ・ステークスに向かう予定。1馬身以内に犇めいた馬たちの激闘は未だまだ続きます。

4日目の最後はオーク・トゥリー・ステークス Oak Tree S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。1頭の取り消しがありましたが11頭と揃い、前走フォルマス・ステークス(GⅠ)3着の実績がダントツのオールウェイズ・スマイル Always Smile が11対5の1番人気。
6番人気(16対1)のクイーン・カトリーヌ Queen Catrine が逃げましたが、5番手の内を先行していた5番人気(12対1)のアル・ジャージ Al Jazi が抜けると、後方から追い込む2番人気(5対1)のミーズ・アン・ローズ Mise En Rose に1馬身4分の3差を付けて優勝。4分の3馬身差で4番人気(7対1)のナムルーダ Namhroodah が3着に入り、人気のオールウェイズ・スマイルは4着に終わりました。

勝ったアル・ジャージは、去年のこのレースを33対1の大穴エイミー・エリア Amy Eria で制したフランソワ・ロホー厩舎、グレゴリー・ブノア騎乗の3歳馬で、ロホー師もブノア騎手も別の馬での2連覇となります。実はロホー厩舎、今年はもう1頭グローウィング・グローリー Growing Glory という4歳馬も参戦させていましたが、こちらはステファン・パスキエ騎乗で9番人気(33対1)、結果も8着でした。
アル・ジャージは2歳時にメゾン=ラフィットでデビュー勝ち(1200メートル)し、その年は3戦1勝。今期は3戦目にやはりメゾン=ラフィットの条件戦(1600メートル)に勝って、前走もメゾン=ラフィットのリステッド戦(1400メートル)で4着。スローペースで上がりだけの競馬となり勝ちなフランスより、強いペースで切れ味が活かせるイギリスの方が脚質に合っているのでしょう。

 

 

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