2012クラシック馬のプロフィール(7)

今回はオークス馬ウォズ Was を取り上げます。僅か3戦目でクラシックを制覇したオブライエン厩舎の馬ですね。ウォズは父ガリレオ Galileo 、母アリュアリング・パーク Alluring Park 、母の父グリーン・デザート Green Desert という血統。
ガリレオについては繰り返しませんが、ウォズはガリレオにとって28頭目のGⅠホース、意外なことに英オークスは初制覇となりました。

母アリュアリング・パーク(1999年、黒鹿毛)は7戦1勝。現役時代はアイルランドでジム・ボルジャー厩舎に所属、2歳の5月にレパーズタウンの6ハロン戦でデビュー勝ちしましたが、勝鞍はこれ1勝に終わりました。
2戦目に同じレパーズタウンのリステッド戦(6ハロン)で3着。そのあとカラーでデビュタント・ステークス(GⅢ、7ハロン)、モイグレア・スタッド・ステークス(GⅠ、7ハロン)と続けてパターン・レースに出走しましたが夫々6・8着と敗退。やはりカラーの6ハロン戦(リステッド)に戻って3着し、2歳最後のパーク・ステークス(GⅢ、7ハロン)に10着という成績で2歳シーズンを終えます。
3歳時はバリサックス・ステークス(当時はリステッド、10ハロン)で10頭立て10着に惨敗して現役を終え、繁殖に上がりました。

2004年生まれの初産駒アルレシャード Alreshaad (鹿毛、せん馬、父アルハース Alharrth)の競走成績は見当たりません。恐らく不出走なのでしょう。
2番仔は日本に輸入されたシャンパンスコール (Champagne Squall) (2005年、脚毛、牡馬、父デイラミ Daylami)で、5戦未勝利。2・3歳時は藤沢和雄師が管理していましたが、4歳からは尾関知人厩舎に移籍したようです。
2006年生まれはイニシエイション Initiation (鹿毛、せん馬、父ロック・オブ・ジブラルタール Rock og Gibraltar)。17戦1勝で、唯一の勝鞍は4歳時にティッペラリー競馬場のハンデ戦(7.5ハロン)で上げたもの。主にハンデ戦で走り、ジョセフ・マーフィー師が管理していました。

1年空胎の後産まれたジャヌード Janood (2008年、鹿毛、せん馬、父メディシーン Medicean)はゴドルフィンの馬。サイード・ビン・スロール厩舎所属、デットーリ騎乗でニューマーケットの新馬戦(6ハロン)とニューバリーのワシントン・シンガー・ステークス(リステッド、7ハロン)に連勝して注目されましたが、その後は3着以内に入ることなく13戦2勝の成績。カラーのナショナル・ステークス(GⅠ)は8着で、現在はドバイに移籍しているようです。
そして5番目の産駒として登場したのが、今年のオークス馬に輝いたウォズ。

2代母は高名なパーク・エクスプレス Park Express (1983年、黒鹿毛、父アホヌーラ Ahonoora)、日本でも良く知られた名牝でしょう。父がスプリンターのアホヌーラにも拘わらず、愛チャンピオン・ステークス(GⅠ)、ナッソー・ステークス(当時はGⅡ)、ランカシャー・オークス(GⅢ)に勝ち、ヨークシャー・オークスでも2着した中長距離馬でした。

パーク・エクスプレスは競走馬としての成功に留まらず、繁殖牝馬としても成功。2頭のGⅠ馬を産んでいます。
最初に彼女の名前を高めたのは、我がシンコウフォレスト(1993年、鹿毛、牡馬、父グリーン・デザート Green Desert)。父がスプリンターだったこともあり6ハロン戦で活躍、高松宮杯(GⅠ)、阪急杯(GⅢ)、函館スプリント・ステークス(GⅢ)と重賞に3勝した成績は良くご存知でしょう。

パーク・エクスプレスのもう1頭のGⅠホースは、彼女の最後の産駒ニュー・アプローチ New Approach (2005年、栗毛、牡馬、父ガリレオ)。ジム・ボルジャーが調教し、2歳時にナショナル・ステークス、フューチュリティー・ステークス、デューハースト・ステークスとGⅠを3連勝して2歳チャンピオンに選ばれます。
三冠馬の期待もあった3歳時でしたが、2000ギニー2着、愛2000ギニーも2着に敗れて高齢母の仔はクラシックに勝てないと噂されます。しかしダービーでは不安を一掃して快勝、その後も愛チャンピオン・ステークス、チャンピオン・ステークスと勝利を重ね、合計でGⅠに6勝したのはついこの間のことでした。

ここで息抜きに高齢出産のダービー馬に触れると、ニュー・アプローチは母パーク・エクスプレスが22歳の時の仔。母は1999年(16歳)で盲目となり、2006年に23歳で死亡しています。ニュー・アプローチを産んだ翌年でした。
母が22歳で産まれたダービー馬としては、1968年のダービー馬プリテンダー Pretender があります。母はフェリナ Ferina 。また230年以上のダービー史で最高齢の母として記録が残っているのは、1806年のダービー馬パリス Paris 。母ホレイシャ Horatia が25歳の時の仔であったと言います。

話題を牝系に戻しましょう。
この他のパーク・エクスプレスの子孫に目を向けると、その娘パーク・ヘアレス Park Heiress (1991年、鹿毛、父サドラーズ・ウェルズ Sadler’s Wells)は、ラ・ロシェット賞に勝ったヤング・プリテンダー Young Pretender (2005年、鹿毛、牡馬、父オアシス・ドリーム Oasis Dream)の2代母になり、
1996年生まれの娘ダズリング・パーク Dazzling Park (黒鹿毛、父ウォーニング Warning)はメイトロン・ステークス(GⅢ)に勝ち、愛1000ギニー3着、愛チャンピオン・ステークス2着の成績。自身もフェニックス・ステークス(GⅠ)とレイルウェイ・ステークス(GⅢ)に勝ったアルフレッド・ノーベル Alfred Nobel (2007年、黒鹿毛、牡馬、父デインヒル・ダンサー Danehill Dancer)の2代母になりました。

活躍した馬がいた一方で、パーク・エクスプレス産駒には高値で売買されながら失敗した例が多いのも事実。
2000年生まれの牡馬ドバイ・サン Dubai Sun (父デザート・プリンス Desert prince)は230万ギニーで取引されながら、イギリスでは未出走、ドバイで走って6戦未勝利の成績でしたし、
2002年生まれの牡馬(後にせん馬)サンダー・ロック Thunder Rock (父キングズ・ベスト King’s Best)も77万5000ギニーの高馬で、僅かにヤーマス競馬場の11ハロン戦に1勝したのみで障害に転向して行きました。

3代母のマッチャー Matcher (1966年、黒鹿毛、父マッチ Match)はカナダ産。2戦のみで繁殖に上がり、現在までのところパーク・エクスプレス以外では1980年生まれの娘ミラズ・ベスト Myra’s Best (父パンパパウル Pampapaul)が目立つ程度。
ミラズ・ベストは30戦4勝、2歳時にファース・オブ・クライド・ステークス(一時期GⅢに格付けされていたことがある6ハロン戦)に勝って繁殖入りし、ドイツ1000ギニーに勝ったウェイキー・ナー Waky Na (1988年、栗毛、父アホヌーラ)を出しました。
このウェイキー・ナーも母馬として、イタリアのGⅠ戦(ヴィットリオ・ディ・カプア賞)などG戦5勝のマイラー、ウェイキー・ナオ Waky Nao (1993年、鹿毛、牝馬、父アルゼーオ Alzao)を出しています。

更にミラズ・ベストには、豪州のGⅢ(ヴァニティー・ステークス、GⅢ、7ハロン)馬フォレスト・エクスプレス Forest Express (1996年、栗毛、牝馬、父カープティヴ・エディション Kaaptive Edition)という馬もいるようです。

ウォズの牝系をもう少し遡ると、4代母ラシーヌ Lacine (1960年、鹿毛、父グレイ・ソヴリン Grey Sovereign)からはリッチモンド・ステークス(GⅢ)とジムクラック・ステークス(GⅢ)でいずれも3着したグラン・ショーディエール Grand Chaudiere (父ノーザン・ダンサー Northern Dancer)が出、
娘クイック・セレクション Quick Selection (1972年、栗毛、父ヴァイス・リーガル Vice Regal)の娘ミス・オーディマー Miss Audimar が小倉記念(GⅢ)の他に特別3勝のゲイリーイーグル(1993年、栗毛、父ムジタヒド Mujtahid)の母になりました。

またミス・オーディマーの牡馬バンダリ Bandari (1999年、鹿毛、父アルハース)は、ヴォルティジュール・ステークス(GⅡ)、プリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス(GⅡ)、ハードウィック・ステークス(GⅡ)、ゴードン・ステークス(GⅢ)、ブリガディア・ジェラード・ステークス(GⅢ)、リングフィールド・ダービー・トライアル(GⅢ)などに勝った強豪で、セントレジャーでは3着となってクラシックを一歩のところで逃がしています。

ラシーヌの母ラヴド・ワン Loved One (1947年、鹿毛、父ヴィガラス Vigorous)は、クイーン・マリー・ステークス(ロイヤル・アスコット)の勝馬エー・トゥエンティー A.20 の母でもあり、エー・トゥエンティーの仔パディー・ミー Paddy Me (父セント・バディ St Paddy)は1マイルの距離でハンデ戦に活躍した馬でした。

ファミリー・ナンバーは、19-b 。

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