読売日響・第516回定期演奏会
今年創立50周年の読響、4月の常任指揮者、5月正指揮者に続き、6月は桂冠指揮者アルブレヒト登場です。プログラムは実にオーソドックスなシンフォニー2本立て。
ブラームス/交響曲第3番
~休憩~
ブラームス/交響曲第1番
指揮/ゲルト・アルブレヒト
コンサートマスター/デヴィッド・ノーラン
フォアシュピーラー/鈴木理恵子
ブラームスの1番は前シーズンにも登場していましたが、固いことは言いません。流石にアルブレヒト、これ以上はやりようがない程に理想的なブラームス演奏でした。
マエストロは1935年7月19日のエッセン生まれ。日本流に言えばあと一と月程で喜寿を迎えます。舞台もバリヤーフリーに整えられ、弦群もアルブレヒト配置。
ゆるりと登場したマエストロはさすがに常任指揮者時代よりは年齢を重ねた印象ですが、その音楽に老いは微塵も感じられません。
特に速めのテンポ感は、正にドイツ風、ブラームスそのもの。往年のドイツ系巨匠指揮者と呼ばれる指揮者には遅めのテンポを採用する人が多いのですが、本来のドイツ音楽、特にブラームスはアルブレヒトのテンポこそ正統と言えるでしょう。
コッテリ系指揮者に比べると素っ気ない、物足りないと感ずる向きもあるでしょうが、決してやり過ぎない、礼節を重んじる表現なればこそブラームスの本質が見えてくるのでした。
この日の演奏に身を委ねていて先ず思ったのは、ブラームスが北ドイツのプロテスタントの作曲家であること。どんなに斬新的に聴こえようとも、決して基本は調性音楽の枠を出ない。その安心感と堂々たる自己主張。
常にコラール風の安定感が支配し、聴く者に安らぎをもたらす。私はキリスト教信者でもプロテスタントびいきでもありませんが、決して派手な振る舞いの無いブラームスに接していると気持ちが落ち着くのを認めざるを得ません。
もう感想はこれで十分でしょう。やはり読響に最も適した指揮者がアルブレヒトだと思います。カンブルラン、下野、スクロヴァチェフスキも良いけれど、私が最も安心して聴いていられるのがアルブレヒト、と正直に告白しましょう。
その証拠に、中々下がらない血圧が、昨日の夜は劇的に下がっていましたっけ。血圧を下げるのには運動でも、食事でも、薬でもなく、アルブレヒトを聴くこと。なぁ~んちゃって、ネ。
今回を以て、ヴィオラの清水潤一氏がリタイアされました。どのオーケストラもそうでしょうが、徐々に団塊の世代のプレイヤーが姿を消していきます。定期会員には定年は無いのかな。
まとめtyaiました【読売日響・第516回定期演奏会】
今年創立50周年の読響、4月の常任指揮者、5月正指揮者に続き、6月は桂冠指揮者アルブレヒト登場です。プログラムは実にオーソドックスなシンフォニー2本立て。ブラームス/交