凱旋門賞へ始動

ロイヤル・アスコットも終わり一休み、といきたいところですが、日曜日にはフランスのサン=クルー競馬場でG戦が2鞍行われています。
ヨーロッパではクラシックが済み~アイルランドでは未だダービーとオークスが残っていますが~各陣営の目標は秋競馬に移ってきました。

マユレ賞 Prix Malleret (GⅡ、3歳牝、2400メートル)はフランス3歳牝馬によるクラシック距離の一戦、ロイヤル・アスコットのリブルスデール・ステークスに相当するレースと言えましょうか。
馬場は good to soft 、6頭が出走してきましたが、内3頭はアガ・カーンの持ち馬というメンバー構成。しかも1枠から3枠まで。
しかし7対5の1番人気に支持されたのは緑の勝負服ではなく、未勝利馬のイエロー・アンド・グリーン Yellow and Green 。アガ・カーンのエース、マンディスターナ Mandistana が23対10の2番人気で続きます。

アガ・カーンのペースメーカー、ダライーヤ Darayya の逃げを最後方で待機していた本命イエロー・アンド・グリーンは、直線で外に出すと、一気に末脚を爆発させて快勝。マンディスターナに1馬身半差を付けて期待に応えました。3着は2馬身差でノービリス Nobilis 。

ニコラス・クレメント厩舎、ティエリー・テュイレ騎乗のイエロー・アンド・グリーンは、ここまで3戦未勝利とは言っても前走ロヨーモン賞で2着した馬。このときマンディスターナは3着でしたから、上位2頭は二度の対決で同じ結果になったワケ。アガ・カーンのロワイヤー=デュプレ師も結果に納得の様子。
勝馬の父はドイツ馬のモンスン Monsun 、スタミナがあり、レースを重ねるごとに成長して行くタイプです。この後は短い夏休みを取り、ヴェルメイユ賞を目指すでしょう。その結果によっては凱旋門賞の候補に上ってくるはず、注目です。

その凱旋門賞に向けて重要なステップとなるのが、サン=クルー大賞典。今年はスケジュール的にやや前倒しになっているですね。
5頭が登録していましたが、出れば1番人気になったであろうシリュス・デ・ゼーグル Cirrus des Aigles が取り消してしまいました。取り消しの理由は現時点では不詳ですが、せん馬である同馬には凱旋門賞への出走資格はありません。(凱旋門賞はあくまでも Pour de Produit ですから、生産のための選良レース。繁殖能力の無いせん馬には最初から出走権利が与えられていません)
他の4頭があくまでも凱旋門賞に向けてのステップとしてこのレースを選んでいるのに対し、シリュス・デ・ゼーグルはこここそ目標の一つ。出走回避の理由が気になります。

ということで4頭立て。この4頭はいずれも去年の凱旋門賞に出走した古馬たちで、優勝したデインドリーム Danedream が4対5の1番人気、2着シャレータ Shareta は23対10の2番人気、9着ガリコヴァ Galikova が3番人気(9対2)で、出走馬中唯一の牡馬であるメアーンドル Meandre は59対10の最低人気でした。1・2着は去年のジャパン・カップでも6・7着でしたから、宿敵と言っても良いかも知れません。

レースはシャレータが逃げ、デインドリーム2番手。これをメアーンドルが追走し、ガリコヴァは最後方からという展開。直線でもシャレータが粘っていましたが、最後はメアーンドルが抜け、シャレータに1馬身4分の1差を付けて優勝。ガリコヴァが1馬身半差で3着に続き、本命デインドリームは更に半馬身遅れてどん尻(と言っても4着)敗退です。
デインドリームはジャパン・カップのあと休養、今期初戦のバーデンバーデンのGⅡ戦に勝っていましたが、今回は自慢の末脚も不発。このあとの立て直しに注目が集まりましょう。凱旋門のオッズは12対1から16対1に落ちました。

一方勝ったメアーンドルはアンドレ・ファーブル厩舎、マクシム・グィヨン騎乗。レースを使う毎に良化して行くタイプで、今期は3戦目での初勝利。GⅠは去年のパリ大賞典に続く2勝目となります(去年はシーズン5戦目でのGⅠ制覇)。こちらの凱旋門賞のオッズは20対1が出されました。

現時点での凱旋門賞人気は、出走するか否かには拘わらず、2冠馬キャメロット Camelot が1番人気。以下、セント・ニコラス・アビー St Nicholas Abbey 、シー・ムーン Sea Moon 、ヴァリラ Valyra 、ビューティー・パーラー Beauty Parlour らが差無く続き、その後にデインドリームと我がオルフェーヴルの順になっているようです。もちろんブックメーカーによりオッズには微妙な違いはありますが。

Pocket
LINEで送る

1件の返信

  1. まとめtyaiました【凱旋門賞へ始動】

    ロイヤル・アスコットも終わり一休み、といきたいところですが、日曜日にはフランスのサン=クルー競馬場でG戦が2鞍行われています。ヨーロッパではクラシックが済み~アイルラン…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください