第279回・日本フィル横浜定期演奏会

レポートが遅くなりましたが、昨日は横浜みなとみらいホールで日フィル横浜定期を聴いてきました。仮に定期会員でなければパスしたであろうプログラム、折角会員になっているので後学のためにも参加した次第。以下の内容です。

メンデルスゾーン/劇音楽「真夏の夜の夢」序曲
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第2番
     ~休憩~
ベルリオーズ/幻想交響曲
 指揮/西本智実
 ヴァイオリン/三浦文彰
 コンサートマスター/扇谷泰朋

ははぁ~ん、と思われるかもしれませんが、この有名な指揮者をナマで聴くのは恥ずかしながら初めてです。写真などでは知っていますが見るのも初体験。どんな方でしょうか?
何しろ貸切公演も含めれば5連続公演、そのどれもがほぼチケット完売というから驚くじゃありませんか。
この日もチケット前売りはありませんでしたが、客席が全て埋まっていたワケではありません。会員でもパスした方もかなりおられたのでしょう。

登場した麗人、何処となく宝塚歌劇団出身を思わせます。スタイル、衣裳、立ち居振る舞い、その全てですね。私の周りからもそういう声が聞こえてきましたから、私の感想も満更的外れではなさそう。

それで突然思い出したのは、先日亡くなられた某大御所音楽評論家が宝塚歌劇団を絶賛していたこと。それを読んだ時には我が目を疑うほど驚いたのですが、こうした大衆性も音楽には必要なのでしょう。要するに音楽は楽しめばそれで良いのか、と。
間違っていたらゴメンナサイの世界ですが、西本氏を見て連想が次々と発展して行ったのは我ながらビックリしました。

で、音楽ですが、今回のコンサートを体験して、彼女の人気の秘密が解ったように感じます。恐らくベルリオーズは彼女の得意なレパートリーなのでしょう。思いの他細かい点にも拘りがあるようで、単なる楽譜再現的姿勢ではありません。
例えば第2楽章ワルツでのヴィオラの浮き立たせ方とか、二人のティンパニの叩かせ方など。
時折左手で髪をサッとかきあげ、棒を持たない両の手での指示で楽員を思いのままに動かして行く(そのように見えます)颯爽としたスタイルが人気の所以でしょうか。

プログラムの2曲目、私はてっきりメンデルスゾーンの協奏曲だと思っていましたが、舞台係がソリストのために譜面台を用意し、コントラファゴットが登場したのを見て慌ててプログラムを確認。ショスタコーヴィチの、しかも滅多にやらない2番と知って慌てましたわ。
咄嗟に思ったのは、オケ、大丈夫かしら、ということ。ソリストは三浦のことですから問題ありませんが、最後までハラハラしながら聴いてしまいました。それでも恙なく無事に終了、最後もピタリと決まりましたね。

アンコール、またまたパガニーニかと思いきや、耳に馴染んだメロディーが。客席から笑いも起きたのは、日本では「アルプス一万尺」で知られるヤンキー・ドゥードゥル。
このアメリカ俗謡とされる音楽、出典には様々な説があるようですが、詳しい方に伺ったところ、この日のはアンリ・ヴュータンによるアクロバティックなアレンジ。こういう編曲があることを初めて知りました。

幻想交響曲、第3楽章のオーボエは舞台裏ではなくP席横で。ただあの位置だとオケ本体との距離感はほとんど感じられません。
第5楽章の鐘は、日フィル所蔵の例の一品。久し振りに深い音色を楽しみました。

全体に指揮者を立てるオーケストラの巧さに感心。それにしてもプロのオケって大変ですねェ~。(何が言いたいのか)

アンコールはオッフェンバックのホフマン物語から舟歌。彼女を聴くのはこれが最後かも、ね。

最後に気が付いたこと。プログラムにはソロ・チェロ/菊地知也と記されていましたが、この日は江原氏がトップに座っていたような。すいません、思い出せないのです。

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