ファンホ・メナ BBC首席で初登場のプロムス
前日に続いてプロムス2012から、17日は午後7時30分開演のBBCフィルの演奏会です。
≪Prom 5≫
R.シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」
R.シュトラウス/四つの最後の歌
~休憩~
カイヤ・サーリアホ/Laterna magica (英国初演)
シベリウス/交響曲第7番
管弦楽/BBCフィルハーモニック管弦楽団
指揮/ファンホ・メナ
ソプラノ/アンネ・シュヴァーネヴィルムス
去年9月からこのオケの首席指揮者に就任したスペインの指揮者、ファンホ・メナが首席としてプロムス・デビューするコンサート。メナはバスク人なんだそうですが、最初のシーズンではマーラーの2番やブルックナーの6番が評判だったとか。今回はドイツとフィンランドの作品で勝負に出ました。
確か一昨年、京都市響にもスペインもので客演したはずですから、聴かれた方も多いでしょう。今回はスペイン音楽じゃないところが、すっかり英国に定着した指揮者という感じ。
プログラムのバランスとしては、冒頭ツァラが30分を超えるだけで、あとは20分強の作品ばかり。いきなりツァラトゥストラというプログラミングはかなり変わっていると思いました。
四つの最後の歌を歌うのは、ドイツのソプラノ。最近この作品も録音しているそうですが、この日は不調だったのか、3曲目「眠りの時」の練習記号Fで怪しくなったのが残念。落っこちこそしませんでしたが、チョッとヒヤヒヤする場面も。尤も、この曲を余り知らない人には判らなかったかもネ。
ヴァイオリン・ソロは、コンサートマスターのユーリ・トルチンスキー。
休憩を挟んだ3曲目は、1952年生まれのフィンランドの女流作曲家サーリアホ作品の英国初演です。2008年にサイモン・ラトルとベルリン・フィルの委嘱で書かれたもの。
作品のタイトルは「魔法のランタン(幻燈)」とでも訳すのでしょうか、イングマール・ベルイマン監督の伝記から触発を受けた作品。題名は映画を産み出す切っ掛けとなった機械のことで、異なったテンポが同時進行するアイディアの基になっているのでしょう。
楽員の囁き声や溜息によるリズムも使われ、フラメンコのリズムも出てきますから、指揮者のメナにとっても相性が良さそうです。客席にはサーリアホも臨席していて、演奏終了後は舞台に呼ばれて客席の拍手に応えていました。
サーリアホのホームページは以下。この曲はチェスター社から出版されていて、そちらのホームページには作品についての詳しい紹介もあります。
なお、サーリアホは2015年度の武満徹作曲賞の審査員に選ばれていて、サントリーホールのホームページでも紹介されていますから、関心のある方はそちらもご覧あれ。
最後のシベリウス、出だしはかなりゆったりした感じでした。金管がもう少し出ても良いように感じましたが、どうでしょうか。
このコンビは8月7日にも、評判になったというブルックナーの6番で登場する予定です。
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