三大バレエ完結編

8月28日から最後のラスト・ナイトまで、プロムスは通常のオーケストラ・コンサートが続きます。残すはあと10日ほど。

≪Prom 61≫
ストラヴィンスキー/ロシア風スケルツォ
ストラヴィンスキー/アヴェ・マリア
ストラヴィンスキー/パーテル=ノステル
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲
     ~休憩~
シャルロッテ・ザイター/Language of Leaving(BBC委嘱作、世界初演)
ストラヴィンスキー/ペトルーシュカ(1947年版)
 BBC交響楽団
 指揮/ジョセプ・ポンス
 BBCシンガース
 フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)

ストラヴィンスキーにブラームス、それにドイツの新曲という纏まりのない(ように見えますが)プログラム。
前半のストラヴィンスキー、2曲目と3曲目はア・カペラの合唱曲で、聴ける機会は極めて希だと思います。音盤でもストラヴィンスキー全集でもなければ聴けそうもないもの。
ストラヴィンスキーの前半3曲は続けて演奏され、演奏者は最初から全員がセットアップしていたものと思われます。指揮者は指揮台を離れなかったのでしょう。

続いて何故かブラームスの名作協奏曲。ツィンマーマンはクライスラーが所有していたストラッドを使って演奏しましたが、カデンツァはヨアヒムのものでした。
アンコールはバッハの無伴奏パルティータ第3番のプレリュード。

後半の最初はドイツの女流作曲ザイターの新作。これもBBCの委嘱作で、今回が世界初演。ザイターはこういうプロフィールです↓。作品はベーレンライター社から出版。

http://www.charlotteseither.de/?page_id=3&lang=en

いつかも書きましたが、ドイツの現代音楽は旋律は無く、リズムもハーモニーも不在(私にはそう聴こえます)なのが共通点。
今回の作品は「別れの言葉」とでも訳すのでしょうか、合唱と管弦楽のための18分ほどの作品。17世紀の詩人フランチェスコ・デ・レメーネという人の言葉に作曲しているそうですが、歌詞は全く聴き取れませんでした。
後半に仏教の声明のような部分があって不思議な響き。

最後はストラヴィンスキーの3大バレエ、1947年版による演奏。今年は春の祭典の初演100年という節目で、プロムスではレ・シエクルによる春の祭典、ピンチャー指揮で火の鳥に続き、3大バレエ完結です。
今回の指揮者 Josep Pons、私はその名前を初めて聞く人で、今回がプロムス・デビューとのこと。1957年生まれのスペインの指揮者と言いますから、最早若手とは言えないでしょう。
この演奏だけで判断は早計でしょうが、慎重なタイプというか、生気に欠ける演奏をする人で、私には酷く退屈に聴こえました。オケも金管が今一。

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