サラトガ2012開幕

二日ほど留守をしていたので、これからその遅れを取り戻します。先ずは本来なら土曜日にアップすべきアメリカ競馬カテゴリーから。

今週末から本格的な夏競馬が始まったアメリカ、東海岸では夏場限定のサラトガ競馬場が7月20日に幕を開けました。9月3日までの開催、初日のグレード戦は2鞍です。
最初はジェームス・マーヴィン・ステークス James Marvin S (GⅢ、3歳上、7ハロン)。去年まではリステッド戦でしたが、今年からGⅢに格上げされた短距離戦。サラトガのメインコースはダート、fast の馬場に1頭が取り消し、6頭立てで行われました。去年のこのレース、未だリステッド戦だった時代に勝っているジャクソン・ベンド Jackson Bend が4対5の1番人気に支持されています。
しかし、レースはスタートから先手を奪った3番人気(6対1)パシフィック・オーシャン Pacific Ocean の鮮やかな逃げ切り勝ち。1馬身4分の3馬身差でブービー人気(8対1)のゴールドディッガーズ・ボーイ Golddigger’s Boy が食い込み、更に1馬身差でクロスボウ Crossbow が3着。ジャクソン・ベンドも追い上げましたが、首差届かず4着まで。2番人気(3対1)カイシャ・エレクトロニカ Caixa Electronica も5着敗退です。
パシフィック・オーシャンを管理するリチャード・ダトロウ師は、去年から競走馬の薬物使用の問題で裁判中で、前日にニューヨーク競馬会から10年間の免許停止決定を受けたばかり。処分が効力を発揮するのは何時になるか判りませんが、この勝利はギリギリの所で得たものになるのでしょうか。また騎乗したジョエル・ロザリオは、南カリフォルニアからニューヨークに本拠を移したばかりで、今年のサラトガはロザリオにとって初のフル・シーズン騎乗となる開催です。幸先良いスタート。
パシフィック・オーシャンは去年の11月にハリウッドでアンダーウッド・ステークス(GⅢ)に勝っていましたが、当時はマイク・ミッチェル厩舎に所属していました。今年から現在のダトロウ厩舎に転じ、前走(6月9日)トゥルー・ノース・ハンデ(GⅡ)がシーズン・デビュー、かつ新厩舎での初戦でカイシャ・エレクトロニカの6着。今回が新しい環境下での初勝利でした。次走は9月1日に行われるフォアゴ・ステークスになる予定。

続いては第94回スカイラーヴィル・ステークス Schuylerville S (GⅢ、2歳牝、6ハロン)。伝統ある2歳牝馬戦です。こちらも1頭出走取り消しが出て6頭立て。前走パークス・レーシングでの新馬戦を8馬身差で圧勝したソー・メニー・ウェイズ So Many Ways が5対2の1番人気、このレース5勝目を目指すドッド・プレッチャー厩舎のキャント・エクスプレイン Can’t Explain が3対1の僅差2番人気で続きます。
レースは並んだ3番人気(4対1)ベイビー・ジェイ Baby J の逃げ、本命ソー・メニー・ウェイズは5番手に待機する展開。直線は逃げたベイビー・ジェイの外からキャント・エクスプレイン、更に外からソー・メニー・ウェイズが追い込み、最後はハヴィエル・カステラノ騎乗のソー・メニー・ウェイズが1馬身半差でキャント・エクスプレインを捉え期待に応えました。3着は更に1馬身半差で逃げたベイビー・ジェイ。
ソー・メニー・ウェイズを管理するアンソニー・ダトロウ師は、一つ前のジェームス・マーヴィンを制したリチャード・ダトロウの兄。競馬関係に進んだダトロウ3兄弟の長兄に当たります。リチャードとは一つ違いの年子(アンソニーは1958年、リチャードは1959年生まれ。3番目のチップは、現在は長兄のアシスタントです)で、師にとっては2001年のタッチ・ラヴ Touch Love に続く2度目のスカイラーヴィル優勝。
勝馬は、今年の2歳馬が初年度産駒となるサイトシーイング Sightseeing (エー・ピー・インディー A.P.Indy を祖父に持つボールド・ルーラー系で、ピーター・パン・ステークス勝馬)の最初のステークス勝馬。次走は9月2日のスピナウェイ・ステークス(GⅡ)になるでしょう。

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