ダウスゴー指揮BBC響

一日サボるとプロムスはどんどん進みます。今回は先週土曜日に行われた演奏会。デンマークの指揮者ダウスゴーがBBC響を振ったプログラム。お国もの、デンマークの珍しい作品2曲が聴けるのが楽しみでした。

≪Prom 19≫
ルエード・ランゴー/交響曲第11番「イクシオン」(英国初演)
ペール・グドゥムンドセン=ホルムグレン/Incontri(21010)(英国初演)
ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲第1番
     ~休憩~
チャイコフスキー/交響曲第6番
 管弦楽/BBC交響楽団
 指揮/トーマス・ダウスゴー
 チェロ/ダニエル・ミューラー=ショット

最初のランゴー Rued Langgaard (1892-1952)は死後に再評価されたデンマークの作曲家で、現在ではニールセンに次ぐ代表的な作曲家ということになっています。父親のジークフリート・ランゴーも作曲家で、ピアノ協奏曲が有名なそうな。ただランゴーと表記されている場合は、父親か息子かを確認する必要がありそうです。
ドイツでニキシュとマックス・フィードラーに認められた由で、後者がベルリン・フィルでランゴー作品だけの演奏会を指揮し、そのときに彼の第1交響曲が初演された、ということがプログラムに書かれていました。
今回イギリス初演された第11番の交響曲は、交響曲と言っても5分しか掛からない短い作品。ギリシャ神話「イクシオンの神話」からヒントを得て書かれたもので、マーラーやシュトラウスばりに大編成のオケを使った調性音楽です。突然チューバの音が朗々と響くのに吃驚。何でも4本のチューバが使われているとのこと。

2曲目のグドゥムンドセン=ホルムグレン Pelle Gudmundsen-Holmgreen は1932年生まれの今年80歳。私は初めて聞く名前です。作品はバロックの合奏協奏曲の現代版のような音楽で、演奏時間は15分ほど。作曲者も会場で聴いていたようで、終了後はステージに上がって客席の喝采に応えていました。
こうした日本では滅多に演奏されない作品が気軽に楽しめるのが、プロムスの醍醐味でしょう。音だけでもネットで聴けるのには時代を感じます。

ショスタコーヴィチを弾いたミューラー=ショットは、ミュンヘン生まれの若手。既に錚々たるキャリアがあって、知らなかった私が音痴なのでしょう。今回がプロムス初登場。
確かに巧いです。ホルンのソロを吹いたのは、同響き首席ホルン奏者のニコラス・コース。この人も巧い。

チャイコフスキーは軽いというか、レガートを効かせた演奏。若干アンサンブルの乱れがあるのが気になりました。
第3楽章の後で盛大な歓声と拍手が起きましたが、ダウスゴーは構わず第4楽章に突入。フィナーレの冒頭が拍手に掻き消されてしまいました。日本では煩いことを言われそうですが、イギリスは大らかというか、何事もなかったように最後は大喝采。私もマナーについては大目に見る方ですが、それでも何だかねェ~。

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