重も関係なし

日曜日、悪天候が続くフランスのドーヴィル競馬場で注目のG戦が2鞍行われました。但し雨は止んで馬場は soft 、最悪の状態は脱しましたが、それでも多くが出走を躊躇う様な重い馬場には違いありません。

先ずはミネルヴァ賞 Prix Minerve (GⅢ、3歳牝、2500メートル)。牝馬にとって秋最大の目標になるヴェルメイユ賞(GⅠ)のトライアルで、9頭が出走してきました。クラシックでそこそこ走った馬を抑えて11対5の1番人気に支持されたのは、アガ・カーン期待のザルシャナ Zarshana 。前々走ロンシャンのロヨーモン賞(GⅢ)は3着に終わりましたが、前走ロンシャンのリステッド戦(重の2400メートル)に勝ってG戦再挑戦です。
レースはオナー・パウンド Honor Bound が逃げ、 ザルシャナは最後方待機。直線に入っても後方の本命馬、この馬場で伸びるかと思われましたが、流石に馬群を割る瞬発力はメンバー中随一。2番人気(42対10)ゲーム・ソーン Game Zone に半馬身差を付ける鮮やかな差し切り勝ちでした。更に1馬身差でブービー人気(25対1)のマンボミス Mambomiss が3着。

アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗のザルシャナは、名前からも想像できるように、凱旋門賞を圧勝した名牝ザルカヴァ Zarkava の妹で、父はシー・ザ・スターズ Sea the Stars に替っています。すわ凱旋門賞に新たな強敵、と思われるかもしれませんが、本格化するのは来年でしょう、と陣営は冷静そのものでした。

そして愈々ドーヴィルの目玉となるジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois (GⅠ、3歳上牡牝、1600メートル)。馬場を嫌ってロッシルド賞(GⅠ)勝馬エソテリク Esoterique が取り消して5頭立て。レース直前まで出否を迷っていたマイルの王者キングマン Kingman が、最終的にはアブダッラー殿下の決断でゴーサイン。前走サセックス・ステークスと同じ2対5の1番人気に支持されました。

最も人気も無く、可能性も少ないレッド・デュバウィ Red Dubawi が先頭に立ち、後は互いに譲り合うスローの流れ。それでもキングマンは指定席の最後方からレースを進めます。
1マイルの直線コース、勝負所ではどの馬にもチャンスがあるように見えましたが、やはりキングマンはモノが違いました。3番人気(47対10)アノディン Anodin に2馬身半差を付ける横綱相撲で圧勝。重馬場もスローペースも問題にはなりません。1馬身差で2番人気(41対10)のオリンピック・グローリー Olympic Glory が3着でしたが、今回は抑える作戦が裏目に出たのかも。ムーア騎乗のリジーナ Rezeena が4着。

キングマンは改めて紹介することもなくジョン・ゴスデン厩舎、ジェームス・ドイル騎乗。これでGⅠは愛2000ギニー、セント・ジェームス・パレス、サセックスに続いて4連勝。古馬との対戦も、前走トルネード Toronado を破ったのに続いて2連勝となります。秋のクィーン・エリザベスⅡ世ステークスでシーズンを締め括ることができるかが残された唯一の注目点です。

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