2012ヨーク・イボア開催2日目

ヨークのイボア・フェスティヴァル、2日目のG戦は2鞍です。この日も good to firm 、所により good という固目の馬場でしたが、時折雨が降る不安定な天候。特に両パターン・レースの最中は雨が激しく叩き付ける状況で、その様子は当日のフォト・アルバムでも確認できます。↓

http://www.sportinglife.com/racing/photos/gallery/13262/8011825/york-ebor-festival-day-two#!/photo/0

最初はラウザー・ステークス Lowther S (GⅡ、2歳牝、6ハロン)。1頭取り消しがあり10頭が出走してきました。イーヴンの1番人気に支持されたニューファングルド Newfangled は、ロイヤル・アスコットのアルバニー・ステークス(GⅢ)を快勝した馬で、2戦2勝の無敗馬です。ゴスデン厩舎、ビュイック騎乗という今期絶好調のチームであることも人気の要因でしょう。

ところがスタートして1ハロン、突然ニューファングルドが競走を中止してしまいます。その後の検査で骨盤にヒビが入ったという診断。現時点では生命の危機は伝えられていませんが、突然の雨で足を滑らせたのでしょうか。
レースは、好スタートから先頭に立った2番人気(9対2)のロスドゥー・クィーン Rosdhu Queen が粘っこい走りでそのまま逃げ切ってしまいました。混戦から前走カブール賞(GⅢ、ドーヴィル)2着のベイリーズ・ジュビリー Baileys Jubilee (12対1、5番人気)が抜け出して1馬身4分の3差2着、人気薄(33対1)ロイヤル・ラスカル Royal Rascal が追い上げて頭差3着という結果。

ロスドゥー・クィーンは先週金曜日にニューバリーのリステッド戦を制したばかりの2戦2勝馬で、これで3連勝。管理するウイリアム・ハッガス師は奇しくもこの日が誕生日でした。前走はライアン・ムーアが騎乗し、今回もムーアが乗る予定でしたが、負傷のためリチャード・ヒューズに乗り替わり。当初は逃げる予定ではなかったようですが、ヒューズ騎手の判断で先に行った由。

続いては開催二つ目のGⅠとなるヨークシャー・オークス Yorkshire Oaks (GⅠ、3歳上、1マイル4ハロン)。以前は3歳牝馬限定でしたが、現在は古馬にも開放されています。オークスとは言いながら、クラシックの路線の一つという性格は失われてしまいましたね。こちらも1頭が取り消して6頭立て。
今年のオークス馬ウォズ Was 、そのオークスと愛オークスでも2着のシロッコ・スター Shirocco Star 、オークス3着で前走ナッソー・ステークスを制してGⅠ馬の仲間入りを果たしたザ・フューグ The Fugue が3歳世代から。古馬では去年の凱旋門賞2着のシャレータ Shareta が海を渡ってきました。
人気は、7対4で成長著しいザ・フューグが本命。シャレータが9対4の2番人気で続き、ウォズは11対2の3番人気。シロッコ・スターは4番人気(7対1)です。

そのシロッコ・スターはスタートであおり、最後方からの競馬。シャレータが先頭に立ちますが、長距離戦ということでペースは緩やか。2番手で追走していたウォズが、流れるままに先頭を奪いつつ直線に入ります。馬場を選ぶように馬群はスタンド側に集中し、一旦は2番手に下がっていたシャレータがスタンドに近い側から差し返してウォズに並び掛け、外から本命ザ・フューグも襲い掛かり3頭の叩き合いに。
最後は内のシャレータが、外のザ・フューグを首差抑えて優勝。最後まで食い下がったウォズでしたが、前2頭に1馬身4分の3差及ばず3着、更に3馬身4分の1差が付いてシロッコ・スターは4着に終わりました。

アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・ルメール騎乗のシャレータ、意外にもこれがGⅠ初制覇。デュプレ師によれば、フランスの競馬場は直線が短く、シャレータのエンジンが全開する前に競馬が終わってしまうという見解。直線の長い英国競馬の方が同馬には適しているのでしょう。
今年も凱旋門賞、と考えたいところですが、陣営の目標はむしろヴェルメイユ賞。凱旋門賞の行われる10月初めは馬場が重くなることが多く、固い馬場に適したシャレータには不利になるという判断です。

ところで昨日はアイルランドのティッペラリー競馬場でもG戦が一鞍行われました。フェアリー・ブリッジ・ステークス Fairy Bridge S (GⅢ、3歳上、7ハロン100ヤード)。実は今年からGⅢに格上げされたレースで、2003年創設から去年まではリステッドだった一戦。レース名は、あのサドラーズ・ウェルズ Sadler’s Wells の母から。既に馬場は重く、soft to heavy に11頭が出走してきました。
1番人気(2対1)は、前走ゴルウェイ競馬場のリステッド戦(コリブ・ステークス)で頭差2着惜敗のイエロー・ローズバド Yellow Rosebud 。5月にデリンスタウン1000ギニー・トライアル(GⅢ)に勝ち、愛1000ギニーは7着に終わった馬。前走で同馬を破ったレディー・ウイングショット Lady Wingshot は何故か人気が無く、7対1の4番人気に甘んじています。

レースは、カプレラ Caprella とリダウタブル Redoutable が入れ替わりハナ争いを演じる展開。7番手で待機した本命イエロー・ローズバドが着実に脚を伸ばしましたが、またしても先手を取ったのは6番手にいたレディー・ウイングショット。前走では頭差だった着差は、今回は半馬身に広がっていました。2馬身4分の3差で英国から挑戦したボーストフル Boastful が3着。勝馬と2着馬の斤量差は、前回と同じ3ポンド(勝馬の方が軽い)でした。

レディー・ウイングショットを管理するのはジム・ボルジャー師、鞍上はケヴィン・マニング。このコンビは、リステッド時代の2006年と2007年にこのレースを2連覇していましたから、これが共に3勝目。G戦としての初勝利を飾っています。

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