ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル

プロムスも残り3週間になってきましたが、このところは英国オケのオン・パレードになってきました。8月23日はロイヤル・リヴァプール・フィルと首席指揮者ペトレンコの担当です。

≪Prom 54≫
サー・ピーター・マックスウェル・デイヴィス/交響曲第9番(ロンドン初演)
ディーリアス/ヴァイオリン協奏曲
     ~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第10番
 管弦楽/ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック管弦楽団
 指揮/ヴァシリー・ペトレンコ
 ヴァイオリン/タスミン・リトル

冒頭のマックスウェル・デイヴィスは英国の長老格。日本では余り演奏されませんが、所謂マンチェスター学派を代表する作曲家で、イギリスの前衛と言って良いでしょう。極めてパワフルな音楽を書く人ですね。
新作の交響曲は因縁ある第9番で、インタヴューではジンクスは気にしていないと言ってました。エリザベス女王のダイヤモンド・ジュビリーのために準備され、リヴァプールで初演されたもの。女王に献呈されています。今回がロンドンでの初演。
急緩の2部分から成る単一楽章のシンフォニー。左から聴こえる金管六重奏がファンファーレを奏でたり調性的なマーチを吹いたりして比較的親しみ易いと思いました。

生誕150年のディーリアスは、この協奏曲のスペシャリストであるリトルのソロ。私も以前に彼女の独奏で、この曲をナマで聴いた記憶があります(新日フィルだっけ)。さすがに流暢な名演。

ショスタコーヴィチは数日前に第7を聴きましたが、今回は第10。改めて聴いてみて、これが最もショスタコーヴィチらしい交響曲だと思いました。
2拍子か3拍子か判らないような字余りの音楽、くどいまでのDSCHの連呼、ショスタコーヴィチのエッセンスがぎっしり詰まった名曲? これが好きか嫌いかでショスタコーヴィチとの相性は全て決まってしまいそう。
ペトレンコはゲルギエフとは正反対のタイプで、繊細さよりはダイナミズムを追及するタイプの音楽家のように聴こえました。オケも滅茶苦茶巧いですが、特にオーボエの音が魅力。ジョナサン・スモールという方のようです。

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