アイスランド響のプロムス・デビュー
バーミンガムに続いて登場したのは、世界のオーケストラ・シリーズの一翼を担うアイスランドからの賓客、今回がプロムス初登場となるアイスランド響のコンサートでした。
8月22日 ≪Prom 48≫
ハウクール・トマソン Haukur Tomasson/Magma (イギリス初演)
シューマン/ピアノ協奏曲
~休憩~
レイフス Leifs/Geysir
ベートーヴェン/交響曲第5番
アイスランド交響楽団 Iceland Symphony Orchestra
指揮/イラン・ヴォルコフ Ilan Volkov
ピアノ/ジョナサン・ビス Jonathan Biss
指揮者は同オケの音楽監督で、イスラエル出身のヴォルコフ。前半後半ともお国物であるアイスランドの作曲家の作品を紹介してくれました。
最初に取り上げられたトマソンは1960年生まれで、現代の作曲家。例によってプロフィールはホームページをご覧あれ。
今回演奏されたのは題名の通り地下に溜まるマグマのこと。ワルシャワの秋の委嘱作で、如何にも火山国アイスランドを象徴するような内容です。5部分から成る16分程度の大編成オケによる音楽。
一方、後半最初のヨン・レイフス (1899-1968) は、アイスランド音楽界の重鎮として知られた人で、言わばアイスランド・クラシック界の父。既に故人なのでホームページなどは無いようですが、ウィキペディアで検索することが可能です。
タイトルは「ゲイシール」とでも発音するのでしょうか、「間欠泉」の意味とのこと。やはり火山と関係ありそうなタイトルですね。作品番号は51だそうで、10分弱。管弦楽のための前奏曲という副題もある由。
因みに二人ともBISにいくつかの作品が録音されており、ナクソスのNMLでも試聴可能。Geysir はヴァンスカ指揮のアイスランド響で聴くことが出来ます。
あとは天下の名曲。シューマンを弾くのはアメリカのピアニストで、アンコールは同じシューマンの「子供の情景」から最後の「詩人は語る」。
ベートーヴェンは今時のスタイルで、古楽とまでは行かないまでもノン・ビブラート系。フルトヴェングラーやカラヤンで楽しんできた世代には何とも軽いベートーヴェンです。繰り返しは全て実行。
オケのアンコールは2曲。最初はレイフスのコンソレーション・フォー・ストリングスという作品で、これもNMLで比較可能。もう1曲賑やかなアンコールもありましたが、これは曲名が判りません。やはりアイスランドの作品でしょうか。
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