ヴィシー大賞典

フランスは中央集権体制の国家で、競馬も同様にパリ地区が中心です。そのパターン・レースの大半はロンシャン、シャンティー、サン=クルー、メゾン=ラフィット、それに夏場のドーヴィルのパリ地区5場が中心。
しかし競馬場そのものはフランス全土で開催されていて、近年では所謂ローカル競馬の水準がが上がってきているのも事実です。

昨日はローカル地区の競馬の中でも最も重要な一戦、フランス競馬体系で珍しくパターン・レースに指定されているヴィシー大賞典(GⅢ、3歳上、2000メートル)が行われました。もちろんフランス中央部に位置するヴィシー競馬場。

このレースは歴史も古く、創設は1875年のこと。パターン・レースに組み込まれたのは1976年ですが、100年を遙かに超える歴史の中で、ロア・へロド Roi Herode 、ヴァテラー Vatellor 、エクレール・オ・ショコラ Eclair au Chocolat 、コアラズ Coaraze 、カンブルマー Cambremer などの名馬が勝馬として名前を連ねているレースでもあります。

今年は3歳から7歳まで、様々な年齢の7頭が出走してきました。6対4の1番人気に支持されていたのは、コート・カニバル Court Canibal 。去年のエクスバリ賞(GⅢ)の勝馬で、今シーズンは未だ勝鞍はありませんが、ガネー賞にも出たことから実績ではナンバーワンと見られていました。

夜8時25分にスタートした大賞典、猛烈な嵐の中で行われました。急激に馬場は不良馬場へと悪化、結果にも少なからず影響したと思われます。

本命コート・カニバルは6着と惨敗。逃げたポン・デ・ザール Pont Des Arts を直線半ばで捉えたエージェント・シークレット Agent Secret が8馬身差の圧勝劇を演じました。(フランス読みならアジャン・セクレ、か)
2着に逃げ粘ったポン・デ・ザール、3着は首差でティップ・トー Tip Toe の順。

エージェント・シークレットは地元ヴィシー生まれの調教師、フランソワ・ロホー師の管理馬。フランソワ・クサヴィエ・ベルトラス騎手が騎乗していました。

前走リヨン大賞典(ヴィシーに近いリヨン競馬場)も制したエージェント・シークレットにとって、パターン・レースは初挑戦にして初勝利です。

地元の大レースを制したロホー師、“ヴィシー大賞典に勝つことは長年の夢、今日は距離と馬場がピッタリだった” と大変な喜びようでした。

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