話題豊富なゴウラン競馬場
日曜日のアイルランド、ゴウラン・パーク競馬場でデニー・コーデル・フィリーズ・ステークス Denny Cordell Fillies S (GⅢ、3歳上牝、1マイル1ハロン100ヤード)が行われました。
以前にも紹介しているはずですが、1996年創設、2006年からGⅢに格上げされた一戦。レース名のデニー・コーデルはブエノス・アイレス生まれで、ポピュラー音楽畑のレコーディング・プロデューサーとして活躍した人。競馬も玄人跣で、1980年代にはアイルランドで調教師として開業したほど。1995年に50台初めで亡くなり、それを記念して創設された歴史があります。
今年は good の馬場に10頭が出走、イギリスからは3頭が挑戦してきました。即ち、サー・ヘンリー・セシル厩舎はフランスから転籍してきたアンドロメダ・ギャラクシー Andromeda Galaxy のデビュー戦として、今シーズン限りで引退を決めたジョン・ダンロップ厩舎がベアトリス・オロール Beatrice Aurore を、そしてマイケル・ベル厩舎はエリザベス女王の持馬モーメンタリー Momentary を。
もしモーメンタリーが勝てば、女王のアイルランド初勝利になるのも話題。エイダン・オブライエン厩舎が2頭を出走させているものの、モーメンタリーにはジョセフ・オブライエンが騎乗しているのにも注目。
更にダンロップ厩舎のベアトリス・オロールのオーナーは、アバ(ABBA)のメンバー、ベニー・アンダーソンであるというのも一般的には話題。私はポピュラー音楽には疎いのでピンと来ませんが、デニー・コーデルとアバには接点があったのでしょうか?
ということで、ローカルな競馬場のGⅢであるにも拘わらず、話題には事欠きません。11対8の1番人気に支持されたカポナータ Caponata は、デビューから2連勝のあとキルボイ・エステート・ステークス(GⅢ)とベレスフォード・ステークス(GⅡ)で連続で2着した3歳馬。4戦して1・2着を外していない堅実味が買われていました。
レースは女王の勝負服を着用したオブライエン騎乗のモーメンタリーが逃げ作戦。残り2ハロン、2番手に待機した5番人気(12対1)アルーフ Aloof がこれを外から交わし、追い縋る2番人気(3対1)ベアトリス・オロールを4分の3差抑えて優勝。2馬身半差3着にはアガ・カーンのシェベラ Shebella が入りました。逃げたモーメンタリーは5着、本命カポナータは8着と期待を裏切っています。
勝ったアルーフはデヴィッド・ウォッチマン厩舎、ウイリアム・リー騎乗の3歳馬。前走ソロナウェー・ステークス(GⅢ)3着を含め、ここ3戦GⅢを使われてきましたが、芝コースでの勝鞍は初めてのことになります(以前の2勝はいずれもダンダルク競馬場のオール・ウェザー・コースでのもの)。
ウォッチマン師はこのレース、2005年のルアス・ライン Luas Line に続く2勝目。2005年はウェイン・ローダンが騎乗していましたが、今回ローダン騎手は同厩のエセンティーピー Esentepe を選択し4着。ウォッチマン厩舎のワン・ツー・フィニッシュは成りませんでした。
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