バリーサックスに注目

昨日の日曜日、アイルランドのレパーズタウン競馬場でバリーサックス・ステークス(GⅢ、3歳、1マイル2ハロン)が行われました。
春先のクラシック・トライアルの一つですが、距離から見てもダービーへの最初のステップです。
最初はカラー競馬場のリステッド戦でしたが、1993年からレパーズタウンに場所を移し、2003年からGⅢに格上げされています。

過去にこのレースから始動してチャンピオン・ホースに成長した馬も数多く、その意味でこのレースは注目に値する一戦と言えましょう。
例えば去年の勝馬は、あのフェイム・アンド・グローリー Fame And Glory 、ダービー2着のあと愛ダービーを制したのは記憶に新しいところ。
更に遡れば、2001年のガリレオ Galileo 、2002年はハイ・シャパラル High Chaparal 、2004年がイェーツ Yeats という具合。

さて今年は8頭が出走、前年のように既にパターン・レースに勝った馬は出ず、やや混戦ムードが漂います。そんな中で11対10の1番人気を背負ったのが、クリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ)で2着したオブライエン厩舎のミハイル・グリンカ Mikhail Glinka 。

スタートして先ず先頭に立ったのは、本命馬と同じオブライエン組のアット・ファースト・サイト At First Sight 。これを追走したパンチャー・クリンチ Puncher Clynch が2ハロン地点でハナを奪い、そのまま押し切るかに見えました。
ここからアット・ファースト・サイトが差し返し、更に本命のミハイル・グリンカも割って入り、3頭が鼻づらを揃えてゴールイン。
写真判定の結果、優勝はパンチャー・クリンチ、2着に短頭差でアット・ファースト・サイト、ミハイル・グリンカは首差3着という結果です。

勝ったパンチャー・クリンチのオッズは12対1でしたから、波乱と言えるでしょうか。クラシックはこの時点では混沌状態から抜け出していません。

勝馬の調教師はジム・ボルジャーさん。このトライアルはこれが5勝目となり、騎乗したケヴィン・マニング騎手にとっても3勝目という記録になります。
また、ボルジャー/マニングのコンビは、この日の第3レース(ハンデキャップ戦)にも勝ってダブル達成です。ダブルの配当は142対1という相当な大穴でしたね。

パンチャー・クリンチは、今シーズン既にダンダルク競馬場のハンデ戦(1マイル3ハロン)にも勝っていて連勝中。
ボルジャー師によれば、9ハロンから1マイル半まで、どんな馬場でもこなしてくれるオールラウンド・プレイヤーの由。まだGⅠクラスの実力には届かないものの、その下のクラスでは十分勝負になるだろうとの見解です。
ま、愛ダービーの大穴の1頭という評価でしょうかね。

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