重馬場の秋競馬、フランス編
対するフランス競馬は、10月第1週の凱旋門賞祭りが平場競走のクライマックス。今は嵐の前の静けさと言ったところですが、昨日はメゾン=ラフィット競馬場でGⅢ戦が2鞍行われています。何れも2000メートルの距離ですが、やや性格が異なるもの。
先ずプランス・ドランジュ賞 Prix du Prince d’Orange (GⅢ、3歳、2000メートル)は本来はロンシャン競馬場で行われていた凱旋門賞トライアルの一つで、ロンシャンを擬して周回コースで行われました。馬場は英国同様に soft 。6頭が出走し、仏ダービー8着、パリ大賞典4着ながらオカール賞(GⅡ)に勝って実績では断トツのメークタール Mekhtaal が3対5の断然1番人気。
そのメークタールが先頭から飛ばして逃切りを図りましたが、これをマークしていた最低人気(141対10)のスカイ・キングダム Sky Kingdom が差を詰め、ゴールでは短首差で本命馬を捉えるサプライズ。3馬身差で後方から追い込んだ4番人気(68対10)のスペクトロスコープ Spectroscope が3着でした。
勝ったスカイ・キングダムは、イギリスからウイリアム・ハッガス師が遠征させた馬で、ジェラール・モッセ騎乗。3歳デビューでこれが未だ4戦目と言う経験の少ない1頭で、ニューマーケットでデビュー勝した後、同じニューマーケットのリステッド戦で3着。前走はドーヴィルに遠征してギョーム・ドルナーノ賞(GⅡ)に挑戦するも8着に終わっていました。
その前走、馬場が good と今回よりは良かったこともありますが、勝ったのがアルマンザー Almanzor ということで相手が悪かったということにもなりそうです。母はニュージーランドのクラシック馬ということで、豪州遠征の芽もありそう。
もう一鞍のラ・クープ・ド・メゾン=ラフィット La Coup de Maisons-Laffitte (GⅢ、3歳上、2000メートル)は、レース名の通りメゾン=ラフィット本来のレースで、同じ2000メートルながら直線コースで行われるのが特徴。こちらも6頭立てで、前走ジャン・ロマネ賞(GⅠ)で2着したエーム・ブルー Ame Bleue が実績から17対10の1番人気。
こちらは5番人気(69対10)のバンザリ Banzari が逃げ、エーム・ブルーは2番手追走。しかし直線コースと重馬場ということもあってか、逃げ馬の脚色は衰えず、結局は行った行ったの逃げ切りで、本命馬に1馬身半差を付けていました。3着も3番手を進んだ3番人気(7対2)のフラッドライト Floodlight がそのまま流れ込み、半馬身差。
勝ったバンザリは、ここまでローカル競馬でばかり走っていた4歳牝馬で、調教するのは馴染みのないH-F・デヴィンという方。アレクシス・バデルが騎乗していました。今期はこれで5戦4勝3着1回と絶好調の上がり馬で、前走はクレールフォンテン競馬場のリステッド戦勝ち。重得意、と見るべきなんでしょう。
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