ヨーク・イボア開催

今日からヨーク競馬場のイボア・ミーティングが始まります。火・水・木の三日間。ヨークはイギリスでも北に位置しますから、ロンドンからはやや遠いですね。東京から福島、という感覚でしょうか。1977年に1度行ったことがありますが、クナーヴェスマイアという丘の上にある競馬場です。
ここで19世紀の中頃、ヴォルティジュールとザ・フライング・ダッチマンとのマッチレースが行われた歴史があり、そのときは10万人の観客が大声援を送ったのでした。特に、負けたとはいえヴォルティジュールはヨークの地元馬主が所有していたため、地元ファンの賭け金は全てヴォルティジュールに投入されたとか。
この名馬の名前は、名物レースの名前に冠されて今日に伝わっています。

毎年8月20日頃からの3日間開催は、伝統的に Ebor Meeting と呼ばれてきました。有名なハンディキャップ戦・イボア・ハンデが行われるからですが、最近はあまり騒がれるレースではなく、イボア開催という名称も使われないんでしょうか。

初日の今日は何と言ってもジャドモント・インターナショナルが呼び物。1マイル2ハロンチョッとの3歳上によるGⅠです。
このレースの歴史は浅く、第1回は1972年でした。最初はベンソン・アンド・ヘッジス・ゴールドカップと呼ばれていまして、第1回はそれまで無敗の名馬ブリガディア・ジェラードがダービー馬ロベルトに負けるという大波乱が起きました。
その後も1975年には、負けるはずがないと思われていたグランディが、名牝ダーリアに負けたこともあり、“本命馬の墓場”というあまり有難くない異名を取ったレースでもあります。
今年はダービー馬オーソライズドが出てきますし、エクリプスの勝馬、ナットナウカトとの再対決が見られそうです。更にはキング・ジョージに勝ったディラン・トーマスも出走に踏み切りましたから、男馬のレースとしては今年最高のメンバーが揃いましたね。今からワクワクしてます。

初日はこの他に、冒頭でも紹介したグレート・ヴォルティジュール・ステークスというセントレジャー・トライアルもありますし、2歳牝馬のアコウム・ステークスとステイヤーのためのロンスデール・カップも組まれています。

二日目はヨークシャー・オークスでしょう。少し前までは3歳牝馬のみのレースでしたが、近年は古馬にも開放されて、一段とグレードが高くなっています。これはオークスと同じ距離のGⅠ。今年は3歳牝馬の筆頭格、ピーピング・フォウンが出走する予定です。
かつての開催の目玉、イボア・ハンデもありますが、ジムクラック・ステークスも注目。
これは2歳の6ハロンによるGⅡですが、19世紀の芦毛の小柄な名馬・ジムクラック Gimcrack に由来するもの。年末にジムクラック・ディナーという催しがあって、その年のジムクラックを制した馬主さんはスピーチをやることになっています。たとえ馬主になったとしても、このレースだけは出走させませんね、私なら。恥を掻くのがオチですから。

三日目はナンソープ・ステークス。5ハロンのGⅠですが、2歳馬も出られるところがミソ。例年多頭数になります。

最終日のもう一つはラウザー・ステークス。こちらは2歳牝馬の6ハロンによるGⅡです。
ということでこれまで同様、日替わりでトピックを紹介していく積りです。

 

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