ヨーク続報

昨日はヨーク競馬場が冠水のため最初の2日間が中止になった、とお知らせしましたが、結局今年の開催は全て中止が決定されました。極めて重大な決定です。
今後の雨の予報もあり、現在のままでは将来も冠水危機に見舞われることも予想されることから、競馬場そのものに新たな排水設備を施す必要がある、という判断に至ったようです。この工事は早くも今週末にスタート、ヨーク競馬場は来年5月のダンテ開催まで閉鎖されます。
う~ん、やることが早いなぁ。クライメート・チェンジ(地球温暖化)がここまで深刻な影響を及ぼしていること、改めて痛切に捉えなければなりません。
イギリスの各競馬場は営利を追求する企業ではなく、あくまでもNPO(not-for-profit organisation)。関係者は全員が良い競馬を見たい、という一心で行動していることです。
流れた4日間のレースをどうするか。特にパターン・レースとイボア・ハンデ。BHA(British Horseracing Authority)とイギリス各地の競馬場責任者が協議した結果、この金曜日と土曜日にニューマーケット競馬場、グッドウッド競馬場、ニューバリー競馬場に分散されて代替競馬が組まれるようです。
現時点では詳細など未発表ですが、インターナショナルなどGⅠの3レースはニューマーケットで、イボア・ハンデとジムクラックはニューバリーで、ヴォルティジュールはグッドウッドで行われるようです。
これに伴いベッティング(賭け)は最初から仕切り直しになりますし、イボア開催のチケットを所有している人は、当該レースの行われる競馬場の入場料はフリー(ただ)になるとか、各競馬場で行われる予定だったレースも一部は中止、延期になるなど、影響はイギリス全土の競馬界に拡がっています。
私が感心するのは、英国競馬界の危機に対応するシステムがキチンと機能していて、行動と決断が早いということ。人々の行動が私利私欲ではなく、競馬を愛する純粋な気持から来ていること、などを思います。流石に英国は競馬の発祥地、「競馬はイギリス」ということに改めて思い至りましたね。
どこかの国なら、真っ先に経済的損失額などを計算し、補填をどうしてくれる、などという論議になるでしょう。
代替レースの詳細や結果などはいずれまた。

 

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《追記》

金曜日に代替が決まったのは、現在のところヨークシャー・オークス、ナンソープ・ステークス、ジムクラック・ステークスの3レースです。
ヨークシャー・オークスとナンソープ・ステークスはニューマーケット競馬場。これに伴い、金曜日のニューマーケットは11レースに増え、オークスは第4レース、ナンソープは第6レースに組み入れられました。競馬のスタート時間も繰り上げになっています。
オークスは6頭立て。ヨークでの登録は8頭でしたが、オブライエン勢は予定の3頭(アドアード、ホノリア、アイス・クィーン)を全て取消、代ってボルガー師がラッシュ・ラッシズを送り込んできました。
ナンソープは14頭立てと賑やかになってきました。ヨークでは重馬場を嫌ってもっと少頭数のレースになるはずでしたが、ニューマーケットは馬場が良いので方針を変えた調教師が多いようです。
ジムクラック・ステークスはニューバリー競馬場で行われます。こちらも当初とは大分メンバーが代り、13頭立ての混戦が予想されているようですね。

 

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