英仏で2013年平場シーズン開花
愈々今年もヨーロッパに平場シーズンがやって来ました。もちろん通常のフラットは行われていますがパターン・レースは3月16日が最初、しかも今年は英仏共第一戦が同時にスタートしています。
先ずは英国、リングフィールド・パーク競馬場のウインター・ダービー Winter Derby (GⅢ、4歳上、1マイル2ハロン)から行きましょう。平場と言ってもポリトラック・コースでのG戦、芝コースのシーズンは来週土曜日のドンカスター開催まで待たなければなりませんが・・・。
馬場状態は standard 、芝なら good という表記に相当するのでしょうか、所謂「良馬場」か。当初11頭が登録していましたが、2頭が取り消しての9頭立て。
このレースの昨年の覇者プレミオ・ロコ Premio Loco 、半馬身差で2着だったカイ・シェン Cai Shen の2頭が今年も挑戦してきましたが、夫々4対1、9対2で2・3番人気。6対4の1番人気に支持されたのは、未だ比較的キャリアの浅い4歳馬ファラージ Farraaj です。
レースはアイルランドから挑戦してきたアンスガー Ansgar の逃げ、人気上位の馬が好位で追走する展開。逃馬がバテ、直線に入った所からが勝負。2番手から抜けたカイ・シェンがハナに立った所、内ラチ沿いにロビン・フッズ・ベイ Robin Hoods Bay が、外から本命ファラージが追い込んで3頭の叩き合い。最後は瞬発力では格上のファラージが抜け、内のロビン・フッズ・ベイを半馬身抑えて優勝。真ん中を通ったカイ・シェンが4分の3馬身差3着に入り、プレミオ・ロコは好位追走も直線では前が詰まる不利もあって5着に終わりました。
勝時計2分00秒99はコース・レコード。この日は5ハロンのレースでもコース・レコードが出ていましたから、速い馬場だったことの証明でもありましょう。尤もポリトラック・コースには所謂Aクラスの馬はほとんど出走しませんから、GⅢクラスのレースになればタイムが更新されるのも当然と言えるでしょうか。
勝馬を管理するロジャー・ヴァリアン厩舎は、これまで主戦騎手だったネイル・カランとの契約が切れて目下主戦不在の状態。今回はアンドレア・アトゼニ Andrea Atzeni という若手が騎乗していましたが、彼が主戦になるという意味ではないようです。
ファラージは2歳時にはBCジュヴェナイル・ターフに遠征して3着に健闘した馬。去年はイタリア2000ギニー3着のあと暫く使えず、11月になって同じリングフィールドのポリトラック・コースで行われたリステッド戦に勝った2戦のみ。ヴァリアン師は、未だシーズンが始まったばかりでもあり、同馬の今後の予定については白紙とのことでした。
続いてフランスはサン=クルー競馬場から。毎年G戦の皮切りとなるエクスバリー賞 Prix Exbury (GⅢ、4歳上、2000メートル)が行われました。馬場はこの時期らしく heavy 、当初登録の6頭が出走してきました。
6対4の1番人気に支持されたドン・ボスコ Don Bosco はお馴染み俳優のオマール・シャリフ氏の持ち馬で、今季は既に2戦して1勝している使われた利が買われての人気でしょう。
日本でも騎乗しているミルコ・デムーロが乗るドン・ボスコはスタートから先頭に立ち、順調に使われている強みを活かす作戦。2番手を追走した3番人気(4対1)のサガ・ドリーム Saga Dream はGⅡ勝ちのペナルティーを背負いながらも本命馬を楽には逃げさせまいと積極的な競馬。レース半ばでは2頭のマッチレースとなり、最後の50ヤードで実力に勝るサガ・ドリームが頭差ドン・ボスコを捉えました。3着は9馬身の大差が付いて2番人気(23対10)のエスペロ Espero 。これも今期2戦、昨年から5連勝してきた上がり馬です。
勝ったサガ・ドリームはフレディー・ルメルシェ厩舎、ティエリー・ジャルネ騎乗の7歳馬。これが7勝目となりますが、去年の最終戦でコンセイユ・ド・パリ賞(GⅡ)でG戦初勝利、年を跨いでのG戦連勝となります。ルメルシェ師によれば、次走ダルクール賞を使ってから、同馬の本来の適距離である2400メートル路線に向かう予定だそうです。
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