調教師も吃驚

昨日は very soft のサン=クルー競馬場で、シーズン最初の仏オークス・トライアルが行われました。ペネロープ賞 Prix Penelope (GⅢ、3歳牝、2100メートル)。
9頭が出走し、1番人気(2対1)はファーブル厩舎のバルチック・バロネス Baltic Baroness 。3月31日に同じサン=クルー競馬場で行われた条件戦で1番人気になりながら4着に負けていましたが、その時に勝ったケンホープ Kenhope が一昨年のグロット賞(GⅢ)を制したばかりですから、ここは勝たれて何の不思議もありません。

そのバルチック・バロネス、積極的な逃げ作戦で、途中一旦は2番手に控えましたが、直線で果敢に先頭を奪い返して勝利を手にしたように見えました。しかし最後方で直線に向いた伏兵(91対10、5番人気)フェレヴィア Ferevia が一気の末脚を爆発、並ぶ間も無く1馬身4分の3差交わして優勝を攫っています。
頭差でオリオン・ラヴ Orion Love が3着に入りましたが、最後の勝負所で一気に内に切れ込み、5着入線のエリューセラ Eleuthera の進路を妨害。審議の結果オリオン・ラヴはエリューセラのあと、5着降着となりました。繰り上がって4着入線のラ・バンデリラ La Banderilla が3着。

カルロス・ラッフォン=パリアス厩舎、オリヴィエ・ペリエ騎乗のフェレヴィアは、前走アミアン競馬場というマイナーなローカル競馬で初勝利を記録したばかり。調教師ですら予想できなかった快走だったようです。
同馬は去年サン=クルーでデビューしましたが、内容の無い5着敗退で、仏オークスの登録もしていません。師によれば、“余り強いメンバーが出ていないと思ったので走らせて見た”程度の軽い気持ちだったようで、この結果によってオークスに追加登録する予定は無いようです。GⅢ優勝以上の期待は持てないような発言とも聞かれました。尤も、かつてはポーニーズ Pawneese 、オール・アロング All Along などのクラシック級を輩出したペネロープ賞ですが、近年は余りクラシックに繋がらない一戦になっているのも事実です。
ところでフェレヴィアの父はサドラーズ・ウェルズ Sadler’s Wells 系のモティヴェイター Motivator 、去年まで英国のロイヤル・スタッドで供用されていましたが、今年からフランスのケスネー牧場 Haras de Quesnay で供用中。種牡馬にとっては幸先良い宣伝になりました。

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