ジョエル・ロザリオ騎手、開催記録更新

4月のキーンランド春競馬、残すところ2日となりましたが、大記録が生まれています。

4月25日と26日、最後の2日間は芝コースの1マイル半で行われる長距離戦がメイン、夫々牝馬限定と全馬対象のG戦が行われます。
昨日は牝馬による第52回ビウィッチ・ステークス Bewitch S (芝GⅢ、4歳上牝、12ハロン)。firm の芝コースに1頭が取り消し、11頭が出走してきました。3月末にガルフストリーム競馬場の同距離で行われたオーキッド・ステークスを制したレガーロ・ミア Regalo Mia が有力と思われましたが、今月初めにキーンランドのアローワンス戦で鮮やかに米国デビューを飾ったギャザリング Gathering がわずかの差で1番人気(2対1、レガーロ・ミアと同じオッズ)に支持されています。
そのギャザリング、スタートが良過ぎたのが災いしたか、ハナに立ってやや掛かり気味。鞍上ロージー・ナプラヴニクの頭が上下し、馬を抑えるのに苦労している様子。直線に向き、内からレガーロ・ミアに交わされるとそのままズルズルと後退、結局は9着と期待を裏切ってしまいました。4角先頭のレガーロ・ミアを外から追ったのは、前半離された8番手を進み、最後のコーナーでは馬7頭分の外を回って追い込んだ人気薄(18対1、7番人気)のストラスネイヴァー Strathnaver 。ゴールではレガーロ・ミアに1馬身差を付けての逆転劇です。更に4分の3馬身差で3着に入ったクシ Qushchi も16対1(6番人気)という伏兵。1・3着の穴馬を調教したのは共にグレアム・モーション調教師、思わぬ1着3着となりました。
凄かったのは、勝馬に騎乗したドミニカ共和国出身のジョエル・ロザリオ騎手。以前にも開催リーディングを独走中とレポートしましたが、何とこの日もこれが5勝目。16日間のキーンランド春開催の最多勝記録はこれまで1990年春にランディー・ロメロ騎手が達成した32勝でしたが、この記録にあと2勝で迎えたこの日、G戦の2レース前にあっさり記録を更新すると、メインでも勝鞍を伸ばして35勝とし、最終日を残して最多勝記録を更新してしまいました。残り1日で記録を何処まで伸ばせるかに注目されます。
リーディング・ジョッキーの騎乗としては美味しい馬券をもたらしたストラスネイヴァーは、去年まで英国でエド・ダンロップ師が管理していた4歳牝馬。去年は約1マイルのハンデ戦に1勝しただけでしたが、前走ガルフストリームの米国デビュー戦(芝の1マイル16分の3戦でレコード樹立)を快勝、人気の盲点だった気がします。同馬の母リヴァー・ベル River Belle も英国で走り、アメリカに移籍して芝のGⅡを制した馬。ファミリーの伝統になりつつある血統でしょうか。

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