2013ジュライ・ミーティング初日

今週はニューマーケット競馬場伝統のジュライ開催です。現在はジュライ・フェスティヴァルと呼ばれていますが、3日間開催。目玉は最終日の短距離戦ジュライ・カップ。
初日のG戦は3鞍で、第1レースから第3レースまで連続で行われました。春のギニー開催がロウリー・マイル・コースで行われるのに対し、今開催は全てジュライ・コース。同じニューマーケット競馬場でも、全く異なるコースで行われるのが特徴でしょう。
馬場状態は、好天が続いている影響で good to firm 、散水を行ってもやや硬い馬場でした。

最初はバーレーン・トロフィー Bahrain Trophy (GⅢ、3歳、1マイル5ハロン)。8頭が出走し、前走ポンテフラクト競馬場の未勝利戦で2着以下に6馬身の大差を付けて初勝利を挙げたばかりのデア・トゥー・アチーヴ Dare To Achieve が2対1の1番人気。もちろんG戦クラスには初挑戦で、どこまで通用するかが注目点。
レースは前走クィーンズ・ヴェーズで3着に入ったボアト Boite がスローペースで逃げ、残り3ハロンで一気に加速して出し抜けを図りましたが、好位でマークしていた2番人気(3対1)のフィール・ライク・ダンシング Feel Like Dancing が落ち着いてこれを捉え、伏兵(33対1)ジャサパー Jathabah の追い込みを首差抑えて優勝。頭差で、包まれる不利があった3番人気(5対1)ハヴァナ・ビート Havana Beat が3着。デア・トゥー・アチーヴは5着に終わりました。

勝馬を管理するジョン・ゴスデン師はこのレース、一昨年のマスケッド・マーヴェル Masked Marvel 、去年のシャンタラム Shantaram に続く3連覇。騎乗したウイリアム・ビュイックも去年に次ぎ2連勝となります。フィール・ライク・ダンシングは、今年のニューバリーでデビュー勝ち。これが未だ5戦目で、前走クィーンズ・ヴェーズでは現在のセントレジャー本命馬リーディング・ライト Leading Light の2着に来た実力馬。
一昨年のマスケッド・マーヴェルは、バーレーン・トロフィーのあとセントレジャーに直行してクラシックを制しましたが、去年のシャンタラムは体調が整わず出走を断念。今年はもう一戦使ってからドンカスターに向かう、というのが陣営の青写真のようです。セントレジャーのオッズは14対1から20対1の範囲。
ゴスデン/ビュイックのコンビと言えば、マスケッド・マーヴェルの前年(2010年)にもアークティック・コスモス Arctic Cosmos でセントレジャーを制しており、最後のクラシックでは常連の顔。今年もこの馬で有力候補に挙がってきました。

次はジュライ・ステークス July S (GⅡ、2歳、6ハロン)。一つ前のバーレーン・トロフィーはクラシックを見据えた一戦でしたが、これもクラシックに繋がるレース。そのクラシックとは来年の2000ギニーで、こちらも有力な候補が出現しています。
11頭立ての1番人気(9対4)に支持されたのは、ロイヤル・アスコットのコヴェントリー・ステークス(GⅡ)で3着したオブライエン厩舎のサー・ジョン・ホーキンス Sir John Hawkins 。全馬8ストーン12ポンドの負担重量なので、体重の軽いライアン・ムーア騎乗。

スタートからアステール Astaire 、バハミアン・ハイツ Bahamian Heights などが激しく先頭を争う速い流れ。サー・ジョン・ホーキンスは好位追走から抜け出しを図りましたが、後方待機組の末脚が勝っていました。一旦先頭に躍り出た2番人気(7対2)のフィギュア・オブ・スピーチ Figure Of Speech を、更に後方から追い上げた6番人気(14対1)のアンジャール Anjaal が首差で差し切った所がゴール。更に頭差で7番人気(20対1)のジャロータ Jallota が3着に入る接戦で、サー・ジョン・ホーキンスは3頭から4分の3馬身遅れて4着。完敗という内容ではありません。
2歳戦には断然強いリチャード・ハノン厩舎は、去年のアルヒバーイェブ Alhebayeb に続き2連覇。主戦のヒューズ騎手が同厩のブラウン・シュガー Brown Sugar (10着。5対1、3番人気)を選んだため、勝馬にはポール・ハナガンが騎乗していました。6月8日にビヴァリー競馬場で2戦目の未勝利戦を4馬身差で勝ったあと少し休養を取っての参戦。馬は未だ若く、ゲートインを嫌った上に出遅れるというやんちゃ振りを克服しての快勝。2000ギニーには16対1から25対1の幅広いオッズが出されています。
次走はドンカスターのシャンペン・ステークス、そのあとはデューハースト・ステークスに向かう予定。2000ギニーの可能性を聞かれた陣営、挑戦しない理由は無いでしょ、というのがその答えでした。

最後は、と言っても第3レースがプリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス Princess of Wales’s S (GⅡ、3歳上、1マイル4ハロン)。ドイツから参戦予定のワイルド・ココ Wild Coco が取り消して6頭立て。前走ハードウィック・ステークスは3着だったものの、その前にG戦を連勝していたユニヴァーサル Universal が3対1の1番人気。

スタートから先手を取ったユニヴァーサル、鞍上ジョー・ファニングの絶妙なペース判断と大胆な戦術によって逃げ切り勝ち。ゴドルフィンのペアー、アージーマー Ahzeemah とカヴァリーマン Cavalryman が揃って追い上げに入りましたが及ばず、前者が2馬身半差で2着、後者は2馬身差で3着でした。
今年4歳のユニヴァーサル、今春はドバイで走りましたが未勝利。開花したのはイギリスに戻ってからで、ハンデ戦からジョン・ポーター・ステークス(GⅢ)、ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)と3連勝。アスコットの3着を挟んでのGⅡ2勝目です。
管理するマーク・ジョンストン師は、今後の予定について“心ではキング・ジョージを。しかし頭では愛セントレジャー、カナダ国際、ジャパン・カップという海外GⅠを狙いたい”とのこと。去年は10ハロンを中心に使われてきましたが、更に距離が伸びて本領を発揮するタイプ、というのが陣営の評価でした。

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