初挑戦で初勝利

日曜日のアメリカもサラトガとデル・マーで夫々一鞍づつのG戦が行われました。

サラトガ競馬場は第99回を迎えたサンフォード・ステークス Sanford S (GⅡ、2歳、6ハロン)。fast の馬場、1頭取り消して6頭が出走してきました。未だ2歳シーズンはスタートしたばかりでもあり、出走馬中唯一のG戦勝馬デット・シーリング Debt Ceiling が9対5の1番人気。バシュフォード・メイナー・ステークス(GⅢ)の勝馬で、3戦無敗馬でもあります。
しかしスタートも良くなく、道中もツキが無かったデット・シーリングは最下位に敗退してしまいます。替って新たなスタートして登場したのが、ブービー人気(7対1)でしかなかった1戦1勝馬のワイア―ド・ブライアン Wired Bryan 。好スタートから先頭に立ち、一旦は4番人気(9対2)のハリウッド・タレント Hollywood Talent にハナを譲りながら、内ラチ沿いに差し返し、後方から伸びた最低人気(23対1)サザーン・ブレッシング Southern Blessing に5馬身4分の1の大差を付ける圧勝でした。1馬身半差でハリウッド・タレントが3着。プレッチャー厩舎の2番人気(2対1)オール・イン・ブルー All in Blue 4着、3番人気(7対2)のジェイクス・マジック・ハット Jake’s Magic Hat も5着と人気馬は総崩れの結果です。
勝馬を管理するマイケル・ディルガーはダーレーが運営するフライング・スタートの卒業生で、トッド・プレッチャー師の元で7年間助手として研鑽を積み、今年から自身の厩舎を開業した人物。アイルランド出身の35歳、サラトガに馬を出走させるのはワイア―ド・ブライアンが初めてで、もちろんステークス(G戦も含めて)初出走にして初勝利という夢を実現させてしまいました。共に喜びを分かち合ったのは、騎乗したシャウン・ブリッジモハーン騎手。
ワイア―ド・ブライアンは、6月19日にベルモント競馬場で5ハロンのデビュー戦を7馬身以上の差で勝った芦毛馬。ニューヨーク産馬ということで、ニューヨーク競馬協会(NYRA)が今年からスタートさせたボーナス・システム(ベルモントかアケダクトで勝ったニューヨーク産馬に支給)の恩恵も受けています。

一方デル・マー競馬場は、8月17日に予定されているデル・マー・オークス(芝GⅠ)のトライアルとなるサン・クレメンテ・ハンデキャップ San Clemente H (芝GⅡ、3歳牝、8ハロン)。馬場は firm 、出走制限枠の10頭を超える登録がありましたが、結局は2頭が取り消して9頭立て。前走ハリウッド・オークス(GⅡ)で2着だったアイオタパ Iotapa が8対5の1番人気(レース実況では“アイタパ”と聞こえますが)。
逃げ馬を交わして先頭に立った2番人気(7対2)のアンユージュアル・ウエイ Unusual Way を追ったアイオタパでしたが、5番手に付けていた3番人気(5対1)ウィッシング・ゲート Wishing Gate の末脚が勝り、アンユージュアル・ウエイに1馬身4分の3差を付けて優勝。更に1馬身4分の1差でアイオタパは3着。1番人気から3番人気までが1着から3着に入りましたが、人気と着順が丁度正反対になる結果でした。
トーマス・プロクター厩舎、ゲーリー・スティーヴンス騎乗のウィッシング・ゲートは、去年9月にここデル・マーで初勝利を挙げた馬。その後サンタ・アニタの一般ステークスでは2着していました。今期初戦は8着に終わったものの、その後3戦2勝、前走アーリントンの芝コースでアローワンス/クレーミング戦で1着、今回がステークス初勝利でもあります。スティーヴンス騎手はこのレース3勝目、名手の好騎乗も勝因の一つに違いありません。

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