ミロのヴィーナス

今週はヨーロッパもアメリカもG戦が小出しに行われます。毎日のようにニュースをチェックしなければなりませんが、纏めてドカンと行われるよりは楽なレポートで済むという有難さもありますね。

ということで、昨日はアイルランドのコーク競馬場でギヴ・サンクス・ステークス Give Thanks S (GⅢ、3歳上牝、1マイル4ハロン)が行われました。yielding 、所により good の馬場に6頭立て。
例年余り注目されることの無いG戦ですが、今年は愛オークスでチキータ Chicquita に半馬身差2着したヴィーナス・ド・ミロ Venus de Milo が出走して観客を驚かせました。クラシックで好走した馬がここを使うのは、かなり珍しいケースと言えるでしょう。当然ながら1対4の断然人気。

実際、レースも一方的。スタートから先手を取った「ミロのヴィーナス」、そのまま逃げ切る圧勝でした。3馬身半差の2着も、2番手を進んだ2番人気(7対1)のバネアギード Bunairgead がそのまま続き、首差3着も3番手を追走していた同じ7対1のミッドナイト・ソプラノ Misnight Soprano と順当そのもの。
勝馬に初めて騎乗(実戦では)したジョセフ・オブライエンは、馬を真っ直ぐに走らせるのは苦労したようですが、能力を最大限に引き出すまでの努力は必要なかった模様。彼の体重の関係で規定より1ポンド重い負担重量でしたが、結果にはほとんど影響しませんでした。

父はデューク・オブ・マーマレード Duke of Marmalade 、母の父がガリレオ Galileo 、2代母もフォルマス・ステークスに勝ったGⅠ馬のインチマリン Inchmurrin と血統的裏付けも充分なヴィーナス・ド・ミロ、エイダン・オブライエン師は、9月15日のヴェルメイユ賞に向かうことを明言しています。
改めて彼女の戦績を振り返ると、デビューは今年になってから。フェアリーハウスの未勝利戦(12ハロン、古馬との混合戦)に勝ち、2戦目のナース・オークス・トライアル(リステッド戦、10ハロン)も連勝。無傷で臨んだ愛オークスが2着でした。ここまでは全てシーマス・ヘファーナンが騎乗、今回からジョセフに乗り替わっています。
名前負けしない、かなりの大物、と見て良いのじゃないでしょうか。

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