エド・ガードナーとBBC響のロシア音楽

続いて18日のプロムス、一転してロシア音楽の夕べ、とも言えるようなコンサートでした。

8月18日 ≪Prom 43≫
ストラヴィンスキー/幻想的スケルツォ
ラフマニノフ/鐘
     ~休憩~
ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー/序曲「1812年」
 BBC交響楽団
 指揮/エドワード・ガードナー Edward Gardner
 ヴァイオリン/バイバ・スクリーダ Baiba Skride
 ソプラノ/アルビナ・シャギムラトーヴァ Albian Shagimuratova  
 テノール/スチュアート・スケルトン Stuart Skelton
 バリトン/ミハイル・ペトレンコ Mikhail Petrenko
 合唱/クラウチ・エンド・フェスティヴァル・コーラス、BBCシンフォニー・コーラス

ご覧の様にロシア音楽特集と言っても、日本でも良く開かれる様な演奏会には滅多に登場しない作品が並びました。我々が馴染んでいるのは最後のチャイコフスキー位のものでしょう。

冒頭のストラヴィンスキーは、師であるリムスキー=コルサコフの世界からそんなには離れていません。この次の「花火」がストラヴィンスキーの出世作になりました。
続くラフマニノフは合唱付きの大作ですが、日本でナマで聴ける機会はほとんどありません。私も経験ありません。ラザレフに言わせれば、「鐘」はロシア人にとっては人生そのもの。誕生にも、結婚にも、そして死にも鐘の音が付きものです。ラフマニノフもそうした意味で重要。テキストはエドガー・アラン・ポーをロシア訳したもの。
合唱がメインで、独唱の出番は僅か。テノールが第1楽章、ソプラノは第2楽章、第3楽章は合唱のみで、第4楽章にバリトンが登場するという構成。なおソプラノは当初リューバ・オルガナソーヴァとアナウンスされていましたが、上記のシャギムラトーヴァに変更されました。なお歌唱は、英語圏では英語訳が歌われるケースもあるようですが、今回はロシア語でした。

後半最初はストラヴィンスキーの「ヴァイオリン協奏曲」。知られざるヴァイオリン協奏曲の一つかも知れませんが、私は何度かナマで聴いた記憶があります。特に東日本大震災当日の日フィル定期にラザレフ指揮で予定されており、私は翌日に振り替えて聴きました。
全4楽章で全てヴァイオリンの同じ和音から始まるというもの。「レ」を基礎にするハーモニーで、作品のタイトルも「ニ調の協奏曲」となっています。一つのお題に四つの短歌が詠まれる、というような内容。

最後は誰でも知っている有名曲ですが、200人以上の合唱が参加する合唱版での演奏。戦争というテーマに因んだものと言えなくもないでしょう。

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