カトリーヌの復活劇

7月10日の日曜日、アイルランドのフェアリーハウス競馬場でブラウンスタウン・ステークス Brownstown S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)が行われました。馬場は goos to yielding 、所により good 。
6頭が出走し、ウェルド厩舎の3歳馬で2戦2勝のレイモンダ Raymonda が4対5の断然1番人気。2歳時にカラーで、今期はフェアリーハウスで何れも7ハロンの一般戦に連勝して負け知らず。G戦初挑戦も得意の距離で無敗を守ると期待されていました。

5番人気(14対1)の伏兵クィーン・カトリーヌ Queen Catrine が逃げ、レイモンダは好位追走。しかし本命馬は精彩を欠き、漸く逃げ馬に迫ってきたのが3番人気(8対1)の3歳馬モースト・ビューティフル Most Beautiful 。そのまま差し切る勢いでしたが、クィーン・カトリーヌが渋太く粘り、最後は頭差凌いでの逃げ切り勝ち。3着は5馬身の大差が付いて、後方から追い込んだ4番人気(9対1)のモーリー・ドリー Molly Dolly でした。去年の勝馬で2番人気(7対2)のアイニッペ Ainippe は5着。
勝ったクィーン・カトリーヌはアイニッペと同じファハド・アル・サニ氏の所有馬で、共にゲール・ライオンス厩舎。一見するとアイニッペのペースメーカーのように見えましたが、陣営では共に勝つ可能性を秘めて参戦してきたもの。2頭の内では人気の無い馬が勝った形ですが、勝馬にはゲーリー・キャロルが騎乗していました。

今年5歳のクィーン・カトリーヌは、4歳の最終戦となったナースのリステッド戦勝利以降ライオンス厩舎に転向した馬で、それまではずっとチャーリー・ヒルズ師が管理していました。2歳時にはダッチェス・オブ・ケンブリッジ、プリンセス・オブ・マーガレット、ラウザー、マルセル・ブーサックと4戦連続でG戦に入着していた実績のある馬で、3歳時には仏1000ギニーに参戦したこともあります。
その後はリステッド戦や一般戦が中心でしたが、今期はパーク・エクスプレス・ステークス(GⅢ、10着)、アメジスト・ステークス(GⅢ、7着)、ランウェイズ・スタッド・ステークス(GⅡ、6着)と徐々に調子を上げ、ここで漸くG戦に初勝利。本来の実力に相応しいタイトルを得て復活した、と見るべきでしょう。

 

 

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