サン=クルーのG戦2鞍

愈々11月、ヨーロッパの平場競馬もグランド・フィナーレが近付いてきました。この時点でパターン・レースが残っているのはフランス。昨日はサン=クルーで2鞍が行われています。馬場は very soft 。

先ずはパース賞 Prix Perth (GⅢ、3歳上、1600メートル)から。シーズン末期のマイル戦とあって16頭の多頭数、難解なメンバーが揃い、前走凱旋門ウィークでダニエル・ウイルデンシュタイン賞(GⅡ)を使ったメンバーが中心でしょう。
結果的に5対1の1番人気になったトパーズ・ブランシュ Topaze Blanche はダニエル・ウイルデンシュタイン5着馬で、ドーヴィルではロッシルド賞(GⅠ)でも4着したGⅠ経験のある3歳馬、2歳時にはマルセル・ブーサック賞2着の実績もあります。

レースは13番人気(27対1)の伏兵ゾンマーアーベント Sommerabend が逃げ、馬場が重いこともあって快調に飛ばします。そのまま逃げ切る勢いでしたが、漸く後続から伸びてきたのも全くの人気薄(216対10、12番人気)アマロン Amaron 。結局アマロンがゾンマーアーベントを4分の3差捉える逆転劇でした。1馬身4分の3差3着に去年も3着だった4番人気(9対1)サルキーラ Sarkiyla 。
トパーズ・ブランシュは後方内に待機しましたが、追い出してからは伸びず、ジョッキーも諦めて14着大敗。上位人気馬総崩れの波乱です。

勝ったアマロンはドイツのアンドレアス・レーヴェ厩舎、ファビアン・ルフェーヴル騎乗。3歳時はクラシック候補の1頭で、仏2000ギニー(4着)、仏ダービー(17着)にも挑戦していた4歳馬。今シーズンは奮わず未勝利で、前走は上記ダニエル・ウイルデンシュタイン賞出走も13着に終わっており、人気が無かったのも当然でしょうか。
また2着馬もドイツから遠征の6歳馬で、重馬場に強いイメージのあるドイツ馬のワン・ツー・フィニッシュでもありました。

そしてシーズン最後から二つ目のGⅠ戦となるクリテリウム・インターナショナル Criterium International (GⅠ、2歳牡牝、1600メートル)。出走してきたのは牡馬4頭のみで、シェーヌ賞(GⅢ)勝馬エクトー Ectot が7対10の断然本命。

こちらは結果も人気通り収まり、逃げたスティルマン Stillman を捉てエクトー快勝。4分の3馬身差で2番人気(23対10)のアーンショウ Earnshaw が2着に入り、短首差3着が3番人気(53対10)のプレスティージュ・ヴァンドーム Prestige Vendome 。
エリー・ルルーシュ厩舎、グレゴリー・ブノア騎乗のエクトーは、これでG戦に連勝し、その連勝記録も「4」に伸ばしました。唯一の敗戦はデビュー戦2着のみということで、来年のダービーに14対1のオッズが出されています。

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