日本フィル・第655回東京定期演奏会

昨日は11月の初日だというのに、日本フィルの11月定期が行われました。日露のツー・プラス・ツーを翌日に控え、赤坂周辺の道路は物々しい警戒態勢でした。
そんなこととは無関係のサントリー・ホール、プログラムは以下のもの。

ブラームス/交響曲第3番
     ~休憩~
ブラームス/交響曲第1番
 指揮/小林研一郎
 コンサートマスター/木野雅之
 フォアシュピーラー/九鬼明子
 ソロ・チェロ/菊池知也

感想を書くまでもないでしょう。この所彼方此方のオケで肩書を持つ「炎の」コバケン。得意とするブラームス、前シーズンの2番4番に続くブラームス・ツィクルス完結編でした。

予想通りの演奏、どちらかと言えば今や旧世代に属する感のある堂々たるブラームス解釈で、「クール」とは対極に立つスタイルです。テンポはやや遅め、重厚感が前に出、コバケン特有の歌い回しが唸るブラームス。
現代では常識になっているような第1楽章の繰り返しは、もちろん、やりません。
オケもこの所の好調を維持し、特にこの2曲では重要な意味を持つホルンの1番と3番、丸山勉と日橋辰朗の素晴らしい音色が光りました。この点、日フィルは実に強いものがありますね。

小林マエストロの最後のスピーチ、丁寧過ぎるほどの楽員への労いもいつも通り。こういうブラームスは、将来何度聴けるか判りません。好き嫌いを問わず、接することが出来るのは今の内かも。
それにしてもあの前屈姿勢で長丁場を克服する小林研一郎、年齢を考えれば、その体力に改めて感服しました。ブラヴォ~!

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