クレイヴァン開催2日目
昨日はニューマーケット競馬場のクレイヴァン開催2日目でした。と言っても2日間開催ですから最終日でもあります。馬場は初日と全く同じ good 、所により good to firm 。
この日はG戦3鞍で、最初のアバーナント・ステークス Abernant S (GⅢ、3歳上、6ハロン)は去年からGⅢに格上げされた一戦、GⅢとしては2年目になります。出走馬は8頭、去年のサマー・マイル(GⅡ)の勝馬で、ジャック・ル・マロワ賞(GⅠ)8着以来となるアルジャマヘール Aljamaaheer が5対4の1番人気。マイルからスプリントに距離を短縮してのシーズン・デビューです。
先手を取ったのは2番人気(11対4)のハムザ Hamza 。残り3ハロンでは後続が追い上げるのに必死になるほど快調な逃げで、漸く前半4番手に付けていた3番人気(9対1)のエス・ケ・ラヴ Es Que Love が抜け出して逃げ馬に馬体を接するまで詰め寄りましたが、二の脚を使って再び差し返したハムザ、エス・ケ・ラヴに半馬身差を付けての逃げ切り勝ちです。本命アルジャマヘールが後方から目の覚めるような末脚で追い込みましたが、短頭差届かず3着。
ケヴィン・ライアン厩舎、ジェイミー・スペンサーの好判断に応えたハムザは、これがG戦初勝利となる5歳せん馬。ニューマーケットを得意としており、このコースは4戦3勝。去年の最終戦はロンシャンのアベイ・ド・ロンシャン賞(GⅠ)3着と実績もあり、今期はドバイのGⅠ戦で6着を経験しており、今回はその仕上がりを活かしての快走だったと言えましょう。
続いては2000ギニーのトライアルとなるクレイヴァン・ステークス Craven S (GⅢ、3歳、1マイル)。本番と同じコース、同じ距離の前哨戦です。出走馬は6頭、去年アイルランドに遠征してナショナル・ステークス(GⅠ)を制した2歳チャンピオンのトールモア Toormore がイーヴンの1番人気。ここまで3戦無敗で、シーズン・デビューをどうクリアーするかに注目が集まります。
スタートでハナに立ったのは4番人気(16対1)のザ・グレイ・ギャッツビー The Grey Gatsby でしたが、掛かり気味で追走したトールモアが6ハロン地点で先頭に立つと、そのままザ・グレイ・ギャッツビーを2馬身引き離して優勝。1馬身4分の3差3着には3番人気(8対1)のポストポーンド Postponed が入りました。2番人気(7対4)に支持されたゴドルフィンのビー・レディー Be Ready はドン尻敗退で期待を裏切っています。
トールモアはこれで4戦無敗。管理するリチャード・ハノン師は、クレイヴァン・ステークス3連覇。一昨年のトランペット・メジャー Trumpet Major 、去年のトルネード Toronado と何れも頭文字が「T」というのが面白い所でしょうか。鞍上は首戦のヒューズに替り、今回はライアン・ムーアが騎乗していました。
同馬は6馬身差で勝つ様な派手な所が無いのが特徴で、ブックメーカーの評価も今一つ。2000ギニーのオッズは6対1とレース前と余り変化なく、却ってグリーナムを制したキングマン Kingman のオッズが逆に6対5と更に高くなりました。キングマン支持者はトールモア恐るる足らずという評価でしょう。
最後はアール・オブ・セフトン・ステークス Earl of Sefton S (GⅢ、4歳上、1マイル1ハロン)。9頭立て。今期はドンカスターの平場開幕戦でドンカスター・マイルを一叩き(2着)しているフェンシング Fencing が7対2で1番人気。
去年と同じくターナー騎乗のブーム・アンド・バスト Boom And Bust が逃げ、やはり去年と同様に先行した2番人気(4対1)のマル・オブ・キラー Mull Of Killough が残り3ハロンで抜け出し、3番人気(11対2)のフレンチ・ネイヴィー French Navy に1馬身差を付けて優勝。フェンシングは更に1馬身4分の1差で3着に入りました。去年の愛1000ギニー馬ジャスト・ザ・ジャッジ Just The Judge も出走(6対1、4番人気)していましたが、一瞬良い脚を使いながらも5着まで。
2連覇を達成したマル・オブ・キラーは、ジェーン・チャップル=ハイアム厩舎、アダム・カービー騎乗。このレースは今年で44回を数えますが、連覇は1990/91年のテリモン Terimon に次いで2頭目となります。去年はこのレースに勝った後シンガポール、アメリカ、オーストラリア、ドバイと遠征、勝鞍こそありませんでしたが、世界を股にかけて走ってきました。今年は8歳となり前年ほどのハードなスケジュールは無理としても、実力は未だ未だ衰え知らず。今年も海外遠征が中心となるでしょうか。
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