ゴスデン師の逆転劇

何とか不在中の競馬レポートに追い付いたハリウッドのターフ・フェスティヴァル、一気に最終日の結果を書いちゃいましょう。フィナーレの日曜日はハリウッド・パークのGⅠ戦2鞍のみ。共に今回が最終回となる伝統のGⅠ戦です。

先に行われたハリウッド・ダービー Hollywood Derby (芝GⅠ、3歳、10ハロン)は、firm の馬場に1頭が取り消して9頭立て。第72回の今回が最終回。セクレタリアート・ステークス(芝GⅠ)の覇者アドミラル・キッテン Admiral Kitten が3対1の1番人気に支持されていました。
スローに落として逃げたのは、僅かの差で2番人気(同じく3対1)のルーキー・センセーション Rookie Sensation 。しかし直線では前がガラッと入れ替わる劇的なレースとなり、後方3番手でジッと機を窺っていた4番人気(5対1)のシーク・アゲイン Seek Again が思い切って内ラチ沿いを衝き、目の覚めるような瞬発力で、2着に来たアドミラル・キッテンを1馬身半差切って捨てていました。更に4分の3馬身差でエイメン・キッテン Amen Kitten が3着。
直前に出走を決断したシーク・アゲインは、イギリスのジョン・ゴスデン師の管理馬で、今回はコーリー・ナカタニ騎乗。イギリスでは7戦3勝、前走は10月ヨークのハンデ戦を1番人気で勝った馬で、今回がアメリカ・デビューでした。来年からはウイリアム・モット師の元に転厩することになっており、最後のハリウッド・ダービーをヨーロッパの手にもたらした存在となりましたネ。ゴスデン師はこのレースを1983年に名牝ロイヤル・ヒロイン Royal Heroine で制しており、2勝目。ナカタニ騎手も1993年のイクスプルーシヴ・レッド Explosive Red に続く2勝目となります。

もう一鞍がメイトリアーク・ステークス Matriarch S (芝GⅠ、3歳上牝、8ハロン)。こちらは第32回を以て最終回となります。9頭が出走し、BCフィリー・アンド・メア・ターフでは不利があって6着に敗れたティズ・フラーテイシャス Tiz Flirtatious が9対5の1番人気。
レースはダッシュ良く1番枠から飛び出した6番人気(10対1)のエッグ・ドロップ Egg Drop が逃げ、5番人気(8対1)のディスクリート・マルク Discreek Marq が2番手追走。ペースが緩かったか、先行2頭の脚色は直線でも衰えず、一旦交わして先頭に立ったディスクリート・マルクをエッグ・ドロップが再び差し返し、最後はエッグ・ドロップがディスクリート・マルクをハナ差捉えて優勝。芦毛馬のワン・ツー・フィニッシュとなりました。去年の勝馬で3番人気(4対1)のベター・ラッキー Better Lucky が半馬身差で3着。ティズ・フラーテイシャスは一時12馬身も遅れる展開となり、後半で追い上げるも5着まで。
勝利調教師のマイク・ミッチェル師は、ハリウッド・パークで歴代2位(1位は故ボビー・フランケル師)の名伯楽。去年脳腫瘍の切除から回復し、感動のフィナーレとなりました。メイトリアークは不思議なことに初制覇。騎乗したのはマーチン・ガルシア。エッグ・ドロップはここ4戦で3勝、イエロー・リボン・ハンデ(芝GⅡ)、ゴールディコヴァ・ステークス(芝GⅡ)と連勝し、今回がGⅠ初挑戦でした。

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