新たな歴史を刻んだケンタッキー・ダービー

2000ギニー・レポートを書き上げたと同時に、ケンタッキー・ダービーの結果が飛び込んできました。3日のアメリカは3つの競馬場で合計9鞍のG戦が行われますが、それを一纏めにしていてはアップが何時になるか判りません。そこで先ずはケンタッキー・ダービー Kentucky Derby (GⅠ、3歳、10ハロン)だけを抜き出してレポートしちゃいましょう。

20頭の枠を超えて21頭が登録していましたが、最終的には枠を超過した1頭と、人気の1頭になると思われたホッパーチュニティー Hoppertunity が取り消して19頭立て。予想通りサンタ・アニタ・ダービー(GⅠ)に勝ってカリフォルニアから乗り込んできたカリフォルニア・クローム California Chrome が5対2の抜けた1番人気に支持されていました。2番人気(6対1)はウッド・メモリアル(GⅠ)に勝ったウイッケド・ストロング Wicked Strong 、3番人気(8対1)がアーカンソー・ダービー(GⅠ)馬ダンザ Danza で、単勝10倍を切るのは4番人気(9対1)のキャンディー・ボーイ Candy Boy (サンタ・アニタ・ダービー3着)までという絞られた人気になっていました。
先手を取ったのは3番枠から出たアンクル・サイ Uncle Sigh 、バファート厩舎のシートゥー Chitu が2番手に付け、本命カリフォルニア・クロームは5番枠と恵まれたこともあって早々と3番手の絶好な位置取り。そのまま直線に入ると堂々と抜け出し、後方から追い込む伏兵(37対1)コマンディング・カーヴ Commanding Curve に1馬身4分の3差を付けて見事期待に応えました。更に1馬身4分の1差でダンザが3着。以下主な所では、ウイッケド・ストロング4着、ウッド・メモリアル2着のサムラート Samraat が5着、ブルー・グラス・ステークスのダンス・ウィズ・フェイト Dance With Fate は6着。キャンディー・ボーイはクラブハウス・ターンで大きく外に膨れる不利もあって13着に終わり、オークス騎手ナプラヴニクが乗ったヴィカーズ・イン・トラブル Vicar’s in Trouble (20対1)は絶対不利な1番枠が祟り、道中も外から何度も被されて競馬に成らず、最下位でレースを終えました。

サンタ・アニタ・ダービー・レポートでも紹介したように、勝馬を管理するアート・シャーマン師は今年77歳。ダービー史上最年長の勝利調教師となりました。それまでの記録は、76歳で制したチャーリー・ウィッティンガム師の2度目のダービーである1989年のサンデー・サイレンス Sunday Silence で、記録更新となります。
またシャーマン師はその昔名馬スワップス Swaps の調教騎手だったことも紹介済みで、師にとっては「私のスワップス」でダービーを制したことも一入の感慨でしょう。更に勝馬は名前の通りカリフォルニア産馬で、140年のダービー史でカリフォルニア産馬が制したのは、1922年のモーヴィッチ Morvich 以来2頭目となる快挙でもあります。
騎乗したヴィクター・エスピノザは、2002年のウォー・エンブレム War Emblem に続き2度目のダービー制覇となります。カリフォルニア・クロームは今期4戦4勝、サンタ・アニタのカリフォルニア・カップ・ダービー(一般ステークス)、サン・フェリペ(GⅡ)、サンタ・アニタ・ダービーと連勝して頂点に立ちました。三冠馬の死角があるのはこの馬だけ、プリークネス、ベルモントは彼を中心に回っていくでしょう。

以上がダービー速報、その他のアメリカ競馬は少し時間を置き、ゆっくりと書いていきたいと思います。

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