初出走馬がG戦制覇

怒涛の1日6本投稿、最後は昨日(8月5日)のアメリカ競馬です。サラトガとデル・マーから仲良く一鞍づつ。

最初はサラトガ競馬場のアルフレッド・G.ヴァンダービルト・ハンデキャップ Alfred G. Vanderbilt H (GⅠ、3歳上、6ハロン)。ニューヨークは雨だったようで、ダートコースは muddy という余り見られない発表、8頭が出走してきました。一昨年のプリークネス勝馬で、今年もメトロポリタン・ハンデに勝っているGⅠホースのシャックルフォード Shackleford 登場とあって6対5の1番人気に支持されています。不安材料は馬場状態か。
その不安は見事に当たり、スタートでも後手を踏んだシャックルフォード、4番手まで頭を覗かせたのを最後にズルズル後退、結局はドン尻負けを喫してしまいました。ぬかるんだ馬場では3戦全敗という実績がモロに出てしまった形と言えましょう。優勝は好スタートから一旦3番手に下げ、直線で馬場中央を通って抜け出したブービー人気(36対1)の伏兵ポセイドンズ・ウォリアー Poseidon’s Warrior 。外から追い込む3番人気(6対1)ジャスティン・フィリップ Justin Philip を首差抑えての大波乱です。逃げた2番人気(2対1)のエムシー Emcee が内ラチ沿いに粘って首差3着。
サプライズを演出したポセイドンズ・ウォリアーは、これまで一般ステークスの勝鞍はあってもG戦初勝利、いきなりのGⅠ制覇となりました。これが今シーズンの初勝利というオマケ付。管理するロバート・E.リード調教師にとってもGⅠは初制覇、騎乗したイラード・オルティス・ジュニア騎手もGⅠは先日のコーチング・クラブ・アメリカン・オークスのクエスティング Questing に次ぐ2勝目、キャリアをスタートさせたばかりの若手ジョッキーですが、その将来には恐ろしいものを感じてしまいますね。

続いては、つい先ほど行われたデル・マー競馬場のベスト・パル・ステークス Best Pal S (GⅡ、2歳、6.5ハロン)。こちらはポリトラック、fast の馬場に8頭が出走してきました。2歳戦ということで未知の部分が多いレースですが、前走ハリウッド・ジュヴェナイル・チャンピオンシップ(GⅢ)を2馬身半で快勝したシャーラ―ー・マジック Scherer Magic がイーヴンの1番人気。2歳のステークスは始まったばかりですから、自然な成り行きでしょう。ところがこちらも本命馬は掲示板にも載れず敗退。波乱の結末が待っていました。
レースは、スタートでは後から2番目、徐々に順位を上げて4番手で直線に入ったノウ・モア Know More が、ヘア・キッティー Hair Kitty に半馬身差を付けて優勝。更に1馬身4分の1差でミス・エンパイア Miss Empire が入り、本命シャーラ―・マジックは5着。2・3着はいずれもピーター・ミラー厩舎の牝馬が占め、仕上がりの早い牝馬という格言はアメリカでも通用しそう。ここでも福永祐一が最低人気(65対1)のケー・コート K Court に騎乗しましたが、2番手追走も人気通りドン尻負けに終わっています。
ダグ・オネイル師が管理、ギャレット・ゴメスが騎乗したノウ・モアは、これが何と初出走。アメリカでは未出走馬がG戦に出走すること自体珍しく、デル・マー競馬場では初出走馬がいきなりG戦に勝ったのは初めての由。ここを制した以上、次走は9月5日のデル・マー・フューチュリティー(GⅠ)になるのは間違いないでしょうね。

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