目標はゴールド・カップ

昨日はチェスター競馬場の5月開催3日目、最終日でした。馬場は soft 。
この日のG戦はオーモンド・ステークス Ormonde S (GⅢ、4歳上、1マイル5ハロン89ヤード)。1マイル半のクラシック距離よりはやや長く、真のステイヤーにとっては少し短いという中途半端な距離ですが、馬場が重いことでよりステイヤーにとって有利だったと思われます。
馬場を嫌ってか2頭が出走を取り消しましたが、メンバー中最も評価が高かったオブライエン厩舎のアーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway と、去年のオーモンド勝馬マウント・アソス Mount Athos だったことでレースの内容としてはややレヴェルが落ちた感があるのは仕方がないことでしょう。

結局は4頭立てと寂しいメンバーとなり、スタウト厩舎/ムーア騎乗のヒルスター Hillstar が4対5の1番人気に支持されていました。去年のキング・ジョージで3着、今期はドバイ・ワールド・カップに参戦したものの着外に終わっていた4歳馬です。
レースは最も人気の無い(25対1)ジャサパー Jathabah が逃げ、ヒルスターは3番手。残り3ハロンで2番手を追走していた2番人気(6対4)のブラウン・パンサー Brown Panther が抜け出し、同時にスパートしたヒルスタートの長い叩き合い。小頭数でもスリリングなシーンが堪能できましたが、最後はブラウン・パンサーが粘り勝って本命馬を2馬身4分の1引き離していました。3着は3番人気(10対1)のバノフィー Banoffee でしたが、2着からは16馬身も離されています。4着最下位は逃げたジャサパーでしたが、これは更に17馬身差で、馬場が如何に重かったかの証でしょう。

トム・ダスコウム厩舎、リチャード・キングスコート騎乗の6歳馬ブラウン・パンサーは、去年は僅かに4戦しかしなかったものの、グッドウッド・カップ(GⅡ)に優勝。シーズン終戦として遠征したメルボルン・カップでは8着でした。これが今期初戦での勝利、陣営は当然ながらロイヤル・アスコットのゴールド・カップ挑戦を明言し、オッズは8対1に上がっています。

以上でチェスター開催が終了しましたが、去年までGⅢとして施行されてきたディー・ステークス Dee S (3歳、1マイル2ハロン75ヤード)についても一言言及しておきましょう。
このクラシック・トライアルは今年からリステッド戦に降格されました。去年は後の愛2000ギニー馬マジシャン Magician が制したレースですが、今年は7頭立てで行われ、並んだ1番人気(11対4)に支持されたキングフィッシャー Kingfisher が制しています。
エイダン・オブライエン厩舎、ジョセフ・オブライエン騎乗で、これまでG戦にも何度か出走してきましたが、成績は今一つだった馬。リステッドに降格されても、オブライエン軍団はクラシック候補の試走として使ってくることに変りはありません。

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