ミロ再登場

私はラ・フォル何とかには興味が無いので、5月最初の演奏会は上旬も最後となる10日の土曜日でした。しかも2か所の連チャン、個人的には何年振りか思い出せない愚行ですが、決して最初から目論んだわけではありません。

最初に向かった晴海の第一生命ホールは、本来なら2月1日に開催が予定されていた以下のもの。鶴見のサルビアで彼等を聴いたばかりの翌日だったか、ホールの事務局から電話があり、メンバーの都合で5月10日に延期されました、とのこと。もちろんチケットのキャンセルには応ずる由。
昨日の今日で愕然としましたが、5月10日は日フィルの横浜定期があり、どうしても聴きたい曲があったので最初はキャンセル止む無しと観念したものでした。しかし開演時間などを冷静にチェックすると、梯子すれば何とか間に合いそうだということに気が付き、最終的には連チャンと相成った次第です。

しかし改めてプログラムを凝視すれば、ラズモ3曲一気演奏は2時間半コース、休憩の具合やアンコールなどの有無を計算すると3時間もあり得ましょう。アクセスの極めて悪い晴海からの移動時間もバカにならないので、ここは涙を呑んで最後の3番をパスしようと決意。時に諦めも肝心です。
ということで以下のプログラムでしたが、2番が終わった所で脱兎の如くホールを抜け出しました。

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1」
     ~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2」
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3」
 ミロ・クァルテット

ミロに付いては前回のサルビアで紹介済み、詳しくは繰り返しません。晴海での全曲演奏は、私も時間休暇を取って駆け付けた作品18以来2回目となるシリーズでした。当時とはセカンドがフェドケンホイヤー入れ替わったメンバー。

全体を聴いていないので、演奏会としての感想は書けません。第2を終えて席を立ったのは、正に後ろ髪を引かれる思いだったと言えば十分でしょう。いずれラズモ3番を聴く機会が訪れることを祈るばかり。
聴いた2曲では、やはりサルビアでも圧倒的な感銘を受けた2番が又しても圧巻でした。繰り返しになりますが、一筆書きで一気に通した第1楽章、絶妙なピアニシモと高い精神性に満ちた第2楽章、ベートーヴェン特有の5部形式を隅々に意識させた第3楽章、屹立したリズムを追求し、コーダ直前で僅かにテンポを落とし、猛スピードでコーダに突入する第4楽章。
もちろんアンサンブルを磨き上げるには緻密な計算を施すのでしょうが、それを感じさせない自然な音楽として聴かせるミロの実力。

う~ん、参りました。

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