カリフォルニア・クローム、二冠達成

5月17日は、ケンタッキー・ダービーから中1週での三冠第2弾となるプリークネス・ステークスが行われました。アメリカの三冠が日程的にタフであることの象徴ともなっているクラシック・レース、この日行われた他のG戦3鞍と共に速報版をアップしましょう。
土曜日に他の競馬場で行われたG戦は稿を改めます。

ということでピムリコ競馬場から。この日最初のG戦は、第5レースのメリーランド・スプリント・ハンデキャップ Maryland Sprint H (GⅢ、3歳上、6ハロン)。fast の馬場に1頭が取り消して5頭立て。前走ガルフストリームの一般ステークスを含めて2連勝中のハッピー・マイ・ウェイ Happy My Way が3対5の1番人気に支持されていました。
いつものスタイルでハナから先頭を奪ったハッピー・マイ・ウェイ、そのまま後続を寄せ付けず圧巻の逃げ切り勝ちでした。4番手から追い上げたレモン・ドロップ・ドリーム Lemon Drop Dream が5馬身4分の3差離されて2着、最後方を追走したサーヴィス・フォー・テン Service for Ten が1馬身差の3着。逃げ馬を追い掛けた馬たちが潰れたのを見ても、如何に勝馬のスピードが上だったかが判るでしょう。
ジョセフ・オルセーノ厩舎、ジョー・ブラーヴォ騎乗のハッピー・マイ・ウェイは、これがG戦初勝利。これで3連勝、4歳で充実してきた短距離せん馬です。

続いは第9レースまで間があって、ギャロレット・ハンデキャップ Gallorette H (芝GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)。馬場は稍重の good 、3頭が取り消して7頭立て。この競馬場は初体験ながら、既にGⅢを2勝しているソマリ・レモネード Somali Lemonade が対7の番人気。
スタートから先手を主張したのは2頭で、本命のソマリ・レモネードと伏兵(18対1)のデイドリーミン・グレイシー Daydreamin Gracie 。僅かにソマリ・レモネードがリードし、この2頭が後続を7馬身引き離して大逃げを打ちます。流石にデイドリーミン・グレイシーはバテて後退し本命馬の独走に入りましたが、後方待機の2番人気(2対1)ワッツダチャンシズ Watsdachances が内を衝いて追い上げ、半馬身差まで詰め寄った所がゴール。何とか本命馬が逃げ切って面目を保ちました。7馬身4分の1の大差が付いて3着はトリプル・アーチ Triple Arch の順。
マイケル・マッツ厩舎、ルイス・サエズ騎乗のソマリ・レモネードは、前走キーンランドのアローワンス戦に続いての連勝。G戦は2歳時にキーンランドで勝ったジャスミン・ステークス(芝GⅢ)、去年4歳時のジェームス・ペニー・メモリアル(芝GⅢ、パークス・レーシング)に次いで3勝目。今期限りで引退の予定でしたが、オーナー・サイドは“未だ行けるんじゃない?”と色気も出てきた様子。牝馬の芝戦では未だ存在を主張し続ける事が出来る1頭かもしれません。

第11レースのディクシー・ステークス Dixie S (芝GⅡ、3歳上、8.5ハロン)。去年は9ハロンでしたが、約100メートル短縮されての施行。10頭が出走し、ガルフストリームのアップルトン・ハンデ(芝GⅢ)に勝ったヘイ・リロイ Hey Leroy が3対1の1番人気。前走マイアミ・マイル(GⅢ)は10着大敗でしたが、そこからの巻き返しに期待が掛かっていました。
レースはフレデリックスバーグ Fredericksburg が逃げる速い流れ。前半3番手で進めたヘイ・リロイも良く伸びましたが、中団から大外を通って鋭く伸びた5番人気(7対1)の一角アットリー Utley が前を一気に交わしての逆転劇。1馬身差でヘイ・リロイが2着を確保し、ハナ差で5番人気の1頭シャモア Chamois が3着。
ジョナサン・シェパード厩舎、エドガー・プラード騎乗のアットリーは、6歳にして意外にもこれがステークス初勝利。3歳時はイギリスで走っていた馬で、ニューマーケットのフリー・ハンデ(リステッド)で3着したこともあります。アメリカに渡ってからはアローワンス戦の勝利のみで、今回も去年4月のアローワンス戦以来久々の勝鞍となりました。1月にはガルフストリームのフォート・ラウダーデール・ステークス(芝GⅡ)で5着、前走はチャーチル・ダウンズのアローワンス戦で2着でした。

そしてメインのプリークネス・ステークス Preakness S (GⅠ、3歳、9.5ハロン)。ケンタッキー・ダービーのカリフォルニア・クローム California Chrome が圧勝だったこともあってここを回避したライヴァルも多く、今年のプリークネスは10頭立て。ここまでの成績からダービー馬が1対2の圧倒的な1番人気に支持されていました。ダービーと同じ走りが出来れば、ほぼ二冠達成は間違いないという下馬評です。
ウッド・メモリアル3着馬のソーシャル・インクルージョン Social Inclusion がゲートインを嫌いましたが、全馬一斉のスタート。先ずは9番枠発走でブルー・グラス3着馬のパブロ・デル・モンテ Pablo Del Monte がハナを切って逃げます。カリフォルニア・クロームは早目に外から3番手に上がり、絶好のポジション。
第3コーナーに差し掛かると、本命馬が仕掛けて先頭に並び掛けます。相手はこれだけと見たソーシャル・インクルージョンが同時に仕掛けて本命馬の外から交わしに掛かりますが、ここはカリフォルニア・クロームの実力が上。直線に入るとソーシャル・インクルージョンは苦しがって横を向く中、替って上がってきたのは前半9番手に付けていたダービー7着のライド・オン・カーリン Ride On Curlin 。懸命に宿敵を追いましたが、最後はカリフォルニア・クロームがライド・オン・カーリンに1馬身半差を保ったまま二冠達成です。3着は何と6馬身半差が付いて何とかソーシャル・インクルージョンが粘り込みました。
以下ダービーは11着だったジェネラル・ア・ロッド General a Rod が4着、タンパ・ベイ・ダービー2着のリング・ウィークエンド Ring Weekend が5着。ダービー・トライアルで降着となったバイエルン Bayern は9着、唯1頭参戦した牝馬でBCジュヴェナイル・フィリーズ勝馬のリア・アントニア Ria Antonia は最下位10着に終わりました。
アート・シャーマン厩舎、ヴィクター・エスピノザ騎乗のカリフォルニア・クロームについては改めて取り上げることも無いでしょう。カリフォルニア産馬がプリークネスを制したのは、1986年のスノー・チーフ Snow Chief 以来のこと。6月7日に行われるベルモント・ステークスで、1978年以来となる三冠馬に挑むことになります。エスピノザ騎手は2002年にウォー・エンブレム War Emblem で二冠を達成しながら、ベルモントでは敗退。今回が二度目のチャレンジとなるでしょう。今年のプリークネスも、肉体的によりも精神的負担の方が大きかったと告白していますから、三冠の掛かるベルモントでは更なるプレッシャーに耐えなければなりません。

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