時期が変更されたアメリカン・オークス
今週のアメリカ競馬はカリフォルニア・クローム California Chrome の三冠が掛かったベルモント・ステークスの１週前ということもあって、Ｇ戦はチャーチル・ダウンズとサンタ・アニタの３鞍のみ。シーズンたけなわの中にあって比較的静かな週末を迎えています。
先ずはチャーチル・ダウンズ競馬場のアリスタイデス・ステークス Aristides S (ＧⅢ、３歳上、６ハロン)。１頭が取り消して８頭立て。前走チャーチル・ダウンズ・ステークス(ＧⅡ)では逃げて５着だったデローニー Delaunay が３対５の１番人気。
２枠発走の伏兵(４２対１)ジャシーズル Jasizzle が逃げましたが、直ぐに２番手に付けたデローニーが３コーナー手前で先頭を奪うと、直線は独走。事実上の逃げ切り勝ちです。３馬身半差で去年のこのレースの勝馬で４番人気(６対１)スキャットマン Scatman が２着、更に１馬身４分の３差で５番人気(１２対１)キャプテン・ジーニャス Captain Genius が３着。
トーマス・エイモス厩舎、ロージー・ナプラヴニク騎乗のデローニーは、去年のチャーチル・ダウンズ・ステークス以来となるＧ戦２勝目。ステークスそのものは９勝目となります。
そしてサンタ・アニタ競馬場からＧ戦２鞍。最初のカリフォルニアン・ステークス Californian S (ＧⅡ、３歳上、９ハロン)はかつてハリウッドのＧⅠ戦でしたが、現在は一ランク下がり、サンタ・アニタでの初開催となります。fast の馬場に１頭が取り消して７頭立て。前走プレシジョニスト・ステークス(ＧⅢ)を含めて４連勝中のフューリー・カプコーリ Fury Capcori が１対２の断然１番人気。
クラブハウス・ターンで先頭に立ったフューリー・カプコーリ、先頭で直線に入りましたが、前半は１０馬身以上遅れて最後方に控えた２番人気(６対１)のクラブハウス・ライド Clubhouse Ride が、向う正面で内ラチ沿いに徐々に差を詰め、直線では思い切ってインコースぎりぎりから本命に迫って２頭の叩き合い。何度か接触するアクシデントもありましたが審議にはならず、最後はクラブハウス・ライドがフューリー・カプコーリに半馬身先着していました。２馬身４分の１差でマジェスティック・ハーバー Majestic Harbor が３着。
クレイグ・アンソニー・ルイス厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のクラブハウス・ライドは、去年に続きカリフォルニアン制覇、レース史上４頭目の連覇を達成し、クーガーⅡ世 Cougar Ⅱ、クワック Quack 、エンシャント・タイトル Ancient Title と並ぶ快挙です。去年の勝ち星以降は８連敗中、前走チャールズ・タウン・クラシック(ＧⅡ)４着からの巻き返し、６月２８日のゴールド・カップに向けて最良のトライアルとなりました。
今週の最後はアメリカン・オークス American Oaks (芝ＧⅠ、３歳牝、１０ハロン)。去年までは７月中旬にハリウッドで開催されてきましたが、今年は時期を早めてサンタ・アニタでの初開催。かつてシーザリオが制したＧⅠ戦ですが、この時期では日本から優駿牝馬勝馬が遠征する可能性は無くなってしまいました。firm の馬場に８頭立て。ここサンタ・アニタでプロヴィデンシア(芝ＧⅢ)とハネムーン(芝ＧⅡ)に連勝中のナショバズ・ゴールド Nashoba’s Gold が３対２の１番人気。
レースはキッシン・ラッキー・リップス Kissin Lucky Lips 、ティズ・ザ・キー Tiz the Key 、スイート・ブリス Sweet Bliss の３頭が後続を８馬身引き離して飛ばす展開。流石にペースが速かったか、前半は大きく離されて後方２番手に控えていた２番人気(２対１)のルーム・サーヴィス Room service が馬４頭分の外から一気の末脚を発揮、これまた最後方から追い込む５番人気(７対１)のダイヴァーシー・ハーバー Diversy Harbor に２馬身半差を付ける快勝。首差でやはり追い込んだ３番人気(５対１)のフランス産馬リトル・ジャーニー Little Journey が３着に入りました。ナショバズ・ゴールドは前半の速いペースを深追いしたのが響いたか５着敗退。
ウェイン・カタラーノ厩舎、シャウン・ブリッジモハーン騎乗のルーム・サーヴィスは、出走馬中唯一のＧⅠ馬で、前走アシュランド・ステークス(ＧⅠ)でロザリンド Rosalind と１着同着だった馬。その前のヒアカムズザブライド・ステークス(ＧⅢ)を合わせてＧ戦３連勝となりました。今回はケンタッキーからの遠征競馬で、早くもＧⅠ２勝目を挙げています。
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