ロッシルド・ショック
漸くヨーロッパ競馬レポートも昨日のレースまで追い付きました。日曜日はフランスのドーヴィル競馬場でG戦が2鞍行われています。馬場は再び soft に悪化。
最初は2歳戦のカブール賞 Prix de Cabourg (GⅢ、2歳、1200メートル)。8頭が出走し、シャンティーの新馬戦を快勝したばかりのコートオブヴェルサイユ Courtofversailles が19対10の1番人気。
ルメール騎乗のモックラーシル Mocklershill が逃げ、2番手を追走していた4番人気(63対10)のエルヴェディア Ervedya が残り2ハロンで先頭に立つと、後方から追い込むブービー人気(179対10)のシティー・マネー City Money に2馬身差を付けて優勝。ハナ差で3番人気(47対10)のエル・スイゾ El Suizo が3着に入り、コートオブヴェルサイユはスタートで他馬と接触したのが致命傷で、後方のまま7着大敗に終わりました。
ジャン=クロード・ロジェ厩舎、ティエリー・ジャルネが騎乗したエルヴェディアはアガ・カーンの所有馬。地方競馬のタルブでデビュー戦に勝ち、前走メゾン=ラフィットの一般戦も勝って無傷の3連勝。陣営によれば“必要なことしかしない”タイプの馬だそうで、3週後のモルニー賞ではフランス代表として臨むことになりそうです。
もう一つがGⅠのロッシルド賞 Prix Rothschild (GⅠ、3歳上牝、1600メートル)。僅かに4頭立て。前走フォルマス・ステークスに勝ってGⅠ馬の仲間入りを果たした英国(スタウト厩舎)のインテグラール Integral が7対10の1番人気。イギリスに遠征して2000ギニーを制し、仏オークスは5着に終わったミス・フランス Miss France が2番人気(12対5)で続いていました。
レースは直線コースの少頭数、馬場も重いとあって完全な駆け引き競馬になってしまいました。3番人気(18対5)のラムール・ド・マ・ヴィー L’Amour de Ma Vie が押し出されるように先頭に立ち、インテグラールはスタンドから遠い側を追走。馬場の中央をミス・フランスと並んで最低人気(41対5)のエソテリク Esoterique が続き、仕掛けのタイミングを図る展開。結局は最後に追い出したエソテリクが4分の3馬身差でミス・フランスを抑えるというショッキングな結果に終わりました。1馬身4分の3差でインテグラールは3着。
結果としてアンドレ・ファーブル厩舎のワン・ツー・フィニッシュでしたが、ファーブル師としても狙った着順とは異なった結末。ミス・フランスはグィヨンの騎乗でしたが、エソテリクにはピエール=シャルル・ブードーが跨っていました。
3歳時にはヴァントー賞(GⅢ)勝ちのあるエソテリク、4歳の今期はダーリア・ステークス(GⅢ)には勝ったものの、前走ロイヤル・アスコットのデューク・オブ・ケンブリッジ・ステークス(GⅡ)では9着と惨敗していました。このレースに勝ったのがインテグラール、2着がラムール・ド・ラ・ヴィーだったのですから、如何に意外な結果だったかが判ろうというもの。
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