2017ドンカスター・セントレジャー開催4日目

今週の水曜日から始まった今年のドンカスター競馬場セントレジャー・ミーティング、昨日の土曜日にフィナーレを迎えました。もちろんメインは世界最古のクラシックであるセントレジャーですが、今回は他のG戦からレース順に行きましょう。

馬場は good to soft と相変わらず重く、最初のパーク・ステークス Park S (GⅡ、3歳上、7ハロン6ヤード)は8頭立て。クライテリオン・ステークス(GⅢ)勝馬で前走レノックス・ステークス(GⅢ)でも2着したホーム・オブ・ザ・ブレイヴ Home Of The Brave が9対4の1番人気。
レースはスタンドから遠い側を逃げる4番人気(13対2)のスピリット・オブ・ヴァラー Spirit Of Valor のグループと、スタンド側を引っ張るホーム・オブ・ザ・ブレイヴの二つのグループに分かれましたが、レースが進むに連れて二つの馬群は一つに集結。本命馬も先団で粘りましたが、2番人気(3対1)のアクレイム Aclaim が抜け出し、4番人気(13対2)のナスラ Nathra を4分の3馬身差抑えて優勝。ホーム・オブ・ザ・ブレイヴが1馬身差の3着でした。

勝ったアクレイムはマーチン・ミアード厩舎、オイジン・マーフィー騎乗の4歳馬で、昨シーズンをチャレンジ・ステークス(GⅡ)優勝で締め括っていました。今期はここまで4戦してきましたが未勝利、それでも前走ドーヴィルのモーリス・ド・ギースト賞(GⅠ)で2着に健闘。もう少し距離が長ければ差し切っていたというレース内容で、この7ハロン戦でシーズン初勝利を挙げました。
次は凱旋門ウィークのフォレ賞でGⅠ初制覇に挑みますが、オッズはレース前の20対1から10対1に上昇、またアスコットのチャンピオン・スプリントにも14対1のオッズが出されました。

続いてシャンペン・ステークス Champagne S (GⅡ、2歳牡せん、7ハロン6ヤード)。1頭が取り消して7頭立てとなり、前走ドーヴィルのリステッド戦を含めて2戦2勝のミシカル・マジック Mythical Magic が9対4の1番人気。
レースは2番人気(100対30)のドリーム・トゥデイ Dream Today と、4番人気(6対1)のヘイ・ガマン Hey Gaman とが並行して逃げる形となりましたが、先行したミシカル・マジックと5番人気(8対1)のシーヘンジ Seahenge とが追い上げ、粘る本命馬との三つ巴。最後はシーヘンジがヘイ・ガマンを首差捉えて優勝し、人気のミシカル・マジックは同じく首差の3着でした。

勝利調教師エイダン・オブライエン厩舎は2頭出しで臨みましたが、ライアン・ムーアがメンデルスゾーン Mendelssohn (9対1の6番人気、7着最下位)を選んだため、シーヘンジには末息子のドナック・オブライエンが騎乗していました。6月にナースの6ハロンでデビュー勝ちした時もドナック騎乗でしたが、2走目の前走ヴィンテージ・ステークス(GⅡ)ではムーア騎乗で5着。未だ競走馬としての若さが目立った1頭でした。
その前走で多くを学んだシーヘンジ、今回は成長の跡を見せてG戦初勝利を挙げ、来年の2000ギニーに25対1のオッズが提示されています。次走はデューハースト・ステークス(GⅠ)が有力でしょう。

そして愈々セントレジャー・ステークス St Leger S (GⅠ、3歳牡牝、1マイル6ハロン115ヤード)。事前に枠順を紹介した11頭が揃い、やはり3対1の1番人気は愛ダービー馬カプリ Capri でした。G戦2連勝中のストラディヴァリウス Stradivarius が9対2の2番人気、ゴードン・ステークス(GⅢ)を制したクリスタル・オーシャン Crystal Ocean が5対1の3番人気で続きます。
4頭を出走させた本命を擁するオブライエン軍団、先ずペースメーカーの最低人気(66対1)ジ・アンヴィル The Anvil が飛ばして速いペースを作ります。これを残る3頭のオブライエン・グループが追走し、カプリは4番手。直線に入るとペースメーカーは役目を終えて後退し、10番人気(33対1)のダグラス・マッカーサー Douglas Macarthur が一旦先頭。スタンドから遠い側のラチ沿いにストラディヴァリウスが追い上げて見せ場を作りましたが、既に好位に付けていたカプリが加速すると、後方待機から外を回って追い込むクリスタル・オーシャンを二の脚で突き放し、半馬身差を付けての戴冠です。ストラディヴァリウスが短頭差の3着に入り、ほぼ人気通りの結末となりました。

エイダン・オブライエン師にとっては5勝目となるセントレジャー、意外にも騎乗したライアン・ムーアは初制覇となりました。英国クラシックを全制覇しての5冠ジョッキー誕生の瞬間です。
カプリについては付け加えることもありますまい。実戦は愛ダービー以来で、愛ダービー/セントレジャーの2冠は、何と1970年のニジンスキー Nijinsky 以来の快挙となりました。本来はヨークのグレート・ヴォルティジュール・ステークスを使う予定でしたが、調整が遅れてぶっつけ本番。陣営は多少不安も抱いていたようですが、調教を付けていたヘファーナン騎手は自信満々の太鼓判で送り出したようです。
2週間後の凱旋門賞参戦説が浮上してきましたが、最終的に決定するのはラッド達のチームで、セントレジャーの結果を受けてオッズは9対1。今のところイネイブル Enable 、クラックスマン Cracksman 、ユリシーズ Ulysses に続く4番人気に浮上しています。因みにサトノダイアモンドは14対1で9番人気辺りだそうです。

 

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください