土曜日のアメリカ競馬

昨日のアメリカは四つの競馬場でG戦は仲良く一鞍づつ。レースが終わった順に取り上げていきましょう。

最初はケンタッキー州のエリス・パーク競馬場から。この競馬場で唯一行われるガーデニア・ステークス Gardenia S (GⅢ、3歳上牝、8ハロン)は、fast の馬場に1頭が取り消して8頭立て。前走デラウェア・ハンデ(GⅠ)では5着と凡走したものの、その前にはGⅡに勝っているモーリー・モーガン Molly Morgan が4対5の1番人気。
好スタートから6番人気(12対1)のリヴィ・マッケンジー Livi Makenzie がハナを奪って逃げましたが、前半5番手から徐々に順位を上げたモーリー・モーガンが第3コーナーで先頭に並び掛けると、直線では外から追い込む4番人気(7対1)のタピッツ・ワールド Tapit’s World を頭差抑えて人気に応えました。1馬身4分の1差で内ラチ沿いを粘ったリヴィ・マッケンジーが3着。
デール・ロマンス厩舎、ヘスス・ロペス・カスタノン騎乗のモーリー・モーガンは、前々走6月14日に同じケンタッキー州のチャーチル・ダウンズで行われたフレール・ド・リ・ハンデ(GⅡ)に続くG戦2勝目となる5歳馬です。

次はモンマス・パーク競馬場のモンマス・オークス Monmouth Oaks (GⅢ、3歳牝、8.5ハロン)。2頭が取り消して8頭立て。最下位(10着)に終わったもののプリークネス・ステークスで果敢に牡馬に挑戦したリア・アントニア Ria Antonia が4対5の1番人気。
レースは2番人気(8対5)に支持された新星カサット Cassatt が逃げ、中盤はスローに落としての逃げ切り勝ち。直線入口でアクア・レジア Aqua Regia が内に切れ込み、直後に付けていたセントリー・ジョーン Saintly Joan の進路を邪魔するアクシデントがあり、3馬身4分の3馬身差の2番手で入線したアクア・レジアと、半馬身差の3番手入線セントリー・ジョーンの着順が入れ替わりました。ボカチカ騎手のエディー・カストロに対する異議申し立てによる審議の結果です。人気のリア・アントニアは4着。
ラリー・ジョーンズ厩舎、カーウィン・クラーク騎乗のカサットは、2歳時にチャーチル・ダウンズでのデビュー戦が2着(進路妨害により3番手から繰上り)。2戦目は3か月半の間が空いて3歳になってから、フェア―・グラウンズの6ハロン戦で初勝利を挙げた後、また暫く間が空いて前走デラウエアのアローワンス戦(芝の5ハロン)で2勝目。今回が4戦目でのステークス初勝利、3連勝となりました。必ずしも逃げる必要はないタイプで、これからの成長が大いに楽しみな1頭と言えるでしょう。

土曜日三つ目のG戦は、サラトガ競馬場のフォースターデイヴ・ハンデキャップ Fourstardave H (芝GⅡ、3歳上、8ハロン)。firm の馬場に6頭が出走し、去年ダートに変更されたシャドウェル・ターフ・マイル(GⅠ)で年度代表馬ワイズ・ダン Wise Dan を破ったシルヴァー・マックス Silver Max が3対2の1番人気。今期は6月28日にファイアクラッカー・ステークス(芝GⅡ)でデビュー勝ち、これが今期2戦目となります。
そのシルヴァー・マックス、先頭で逃げ切りを図りましたが、2番手に付けたサイアード Sayaad に絡まれると早くも一杯。替って外から5番人気(11対1)のグランド・アーチ Grand Arch が先頭に立った時、前半4番手から最内を衝いて抜け出した2番人気(2対1)のシーク・アゲイン Seek Again がゴール前でグランド・アーチを首差捉えて優勝。4番の3馬身差で3番人気(5対2)のジャック・ミルトン Jack Milton が3着に入りました。シルヴァー・マックスは6着最下位に敗退。勝時計1分33秒25はレコード・タイムです。勝馬はやや強引に内を抜ける時、前が狭くなって2度もチェックしての結果、スムースに抜ければもっと楽勝だったと思われます。
ウイリアム・モット厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のシーク・アゲインは、英国ではジョン・ゴスデン師が管理していたジャドモント・ファームの所有馬で、アメリカでは4戦目。去年12月のハリウッド・ダービー(芝GⅠ)に勝ち、5月のターフ・クラシック(芝GⅠ)がワイズ・ダン Wise Dan に首差まで迫る2着、6月にはマンハッタン・ステークス(芝GⅠ)で1番人気に推されるも3着と惜敗しており、アメリカでの2勝目となりました。

最後はデル・マー競馬場のラ・ホヤ・ハンデキャップ La Jolla H (芝GⅢ、3歳、8.5ハロン)。去年までは芝のGⅡ戦でしたが、今年からGⅢに降格となっています。firm の馬場に6頭立て。前走デル・マーのオープニングに組まれていた芝の一般ステークス(オーシャンサイド・ステークス)で鮮やかな追込みを決めたエンタープライジング Enterprising が3対2の1番人気。
レースは2番人気(2対1)スクールオブハードロックス Schoolofhardrocks の逃げで始まり、エンタープライジングは大きく離れた後方2番手。直線に向かう時点でも先頭から10馬身離されていた本命馬ですが、直線では内から一気の末脚を爆発させ、最低人気(15対1)アイル・ラップ・イット・アップ I’ll Wrap It Up に1馬身4分の1差を付けて快勝。半馬身差でブービー人気(7対1)のサミー・マンデヴィル Sammy Mandeville が3着に入りました。
トーマス・プロクター厩舎、マイク・スミス騎乗のエンタープライジングは、これで9戦5勝。2月にエル・カミノ・レアル・ダービー(GⅢ)で3着したことはありますが、これがG戦は初勝利。サンタ・アニタでも芝の一般ステークスに2勝しており、芝の追い込み馬としてスタイルも定着してきたようです。プロクター師はこのレース、去年のオールド・タイム・ホッケー Old Time Hockey に続き2連覇。

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