賽は投げられた
凱旋門ウィークが終わったフランス競馬、G戦が組まれるシーズンも残り1か月チョッとになりましたが、目玉は2歳戦、来年のクラシック候補探しへと移ります。
その一つ、トーマス・ブライアン賞 Prix Thomas Bryon (GⅢ、2歳、1600メートル)が昨日、サン=クルー競馬場で行われました。
馬場は soft 、出走馬は僅かに4頭と寂しいもの。最も人気の無い(それでも69対10)ゴマティ Gomati を除けば1戦乃至2戦しか経験の無い馬たち。新馬戦の勝ち方が良かった順の人気にならざるを得ません。結局7対5の1番人気に支持されたカラクタール Karaktar はアガ・カーンの所有馬で、ロンシャンのデビュー戦が3着、前走メゾン=ラフィットで初勝利を挙げた馬。
レースはここまで地方競馬で5戦2勝、前走クリテリウム・ド・リヨンに勝っているゴマティが逃げ、カラクタールは最後方から。3番人気(27対10)のアルファ・ブラーヴォ Alpha Bravo がゴマティを交わして先頭に立ちましたが、3番手から伸びた2番人気(6対4)でただ1頭の牝馬アーレア・ヤクタ Alea Iacta が一気にハナを奪うと、アルファ・ブラーヴォに6馬身差を付ける圧勝。カラクタールは逃げ馬を交わすのがやっと、4分の3馬身差の3着に終わっています。
3頭の牡馬を切って捨てたアーレア・ヤクタは、アンドレ・ファーブル厩舎、マクシム・グィヨン騎乗。ロンシャン競馬場で勝った1600メートルの新馬戦に続き2戦2勝となります。このレースを牝馬が制したのは、1988年のシリコン・レディー Silicon Lady 以来26年振りのこととなります。
ところで馬名の「アーレア・ヤクタ」とは、御存知の様にラテン語で「賽は投げられた」の意味。ルビコン川を渡った同馬、来年の牝馬クラシックの主役になれるでしょうか。
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