ソンダーガード/BBCウェルーズ第一夜

8月11日と12日、二日連続で首席指揮者ソンダーガード指揮のBBCウェールズ・ナショナル管がプロムスに登場します。今回はその一回目。

8月11日 ≪Prom 34≫
R.シュトラウス/交響詩「死と変容」
R.シュトラウス/ブルレスケ
     ~休憩~
モーツァルト/コンサート・ロンドイ長調K386
ニールセン/交響曲第5番
 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団
 指揮/トーマス・ソンダーガード Thomas Sondergard
 ピアノ/フランチェスコ・ピエモンテージ Francesco Piemontesi

ソンダーガードは1969年生まれのデンマークの指揮者で、2012年からBBCウェールズ・ナショナル管の首席指揮者を務めています。母国の音楽大学では打楽器専攻だった由。
ということでウェールズのオーケストラですが、デンマーク繋がりの作品が選ばれました。

前半はシュトラウス生誕150年を記念する一環。小ピアノ協奏曲とでも言うべきブルレスケを演奏するのは、スイス/イタリアのピアニスト。唖然とするテクニックが聴きものでしょう。

ピエモンテージは後半のモーツァルトにも登場。コンサート・ロンドを披露しました。
モーツァルトのコンサート・ロンドと言えばニ長調のK382が良く演奏されますが、今回はモーツァルト自身は完成させなかった386の方。何でもピアノ協奏曲K414の終楽章のもう一つのロンドとして構想されていたものだそうです。
新たにオーケストレーションを施した完成版は、確かバトゥラ=スコダやマッケラスによる校訂版がペータースから出版されていたと記憶しますが、手元に譜面が無いのでこの版による演奏か否かは判りません。プロムスで演奏されるのは今回が初めてということで、モーツァルトのプロムス初演という極めて希な機会。

比較的易しい楽曲なので、アンコールがありました。同じモーツァルトのピアノ・ソナタK284(第6番)から、変奏曲で書かれている第3楽章の第11変奏アダージョ・カンタービレのみ。

最後のニールセンは、もちろんソンダーガードの母国デンマークを代表する作曲家。第一次世界大戦への怒りを音楽にしたもので、その不安から作曲した第4番「不滅」とは姉妹作とも言えそう。サイモン・ラトルは、戦争交響曲はむしろ5番の方が相応しいと言っていますね。
もちろん今年のプロムスのテーマ、「第一次世界大戦勃発100年」に沿った選曲です。

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