お伽噺に因んだクラシック

さて先週土曜日のプロムスは、又してもオラモ登場。今年のプロムスを仕切っているマエストロが取り組んだのは、

8月23日 ≪Prom 49≫
ラヴェル/バレエ組曲「マ・メール・ロワ」
ユッカ・ティエンスー Jukka Tiensuu/Voice verser(イギリス初演)
     ~休憩~
シマノフスキ/お伽噺の王女様の歌(管弦楽版、オラモ編)(イギリス初演)
リムスキー=コルサコフ/シェエラザード
 BBC交響楽団
 指揮/サカリ・オラモ Sakari Oramo
 ソプラノ/アヌー・コムジ Anu Komsi

ということで世界各地のお伽噺に題材を採った作品ということで良さそうです。最初のラヴェルは今年の隠れテーマでもありますが、後はラスト・ナイトのツィガーヌを残すのみとなってきました。
当初はバレエ全曲とのことでしたが、直前になって組曲版に変更されました。演奏時間の関係でしょうか。

2曲目と3曲目も入れ替えになり、前半の締めはフィンランドの現代作品です。ユッカ・ティエンスーという人は名前も初めて聞きましたが、1948年にヘルシンキで生まれた作曲家で、ハープシコード奏者でもある由。ホームページなどは開設していないようで、何とか次のサイトを見つけることが出来ました。

http://composers.musicfinland.fi/musicfinland/fimic.nsf/WLCBND/tiensuu+jukka

残念ながらNMLでも配信されていない人。しかし実際に音を聴いてみると17分ほどかかりますが、退屈することはありません。
コロラトゥーラと室内オケによる協奏曲という内容で、客席から笑い声も聞こえるような不思議な作品。途中で拍手も起きたり、楽員が声を出したりと多彩で、2012年に初演されたようですね。
声楽を受け持つコムジという人は実はオラモ夫人で、夜の女王を歌ったら受けそうな声。演奏の前にインタヴューが放送されますが、ころころ笑う陽気なソプラノで、フィンランド出身とのことでした。

後半を開始するのもオラモ夫人との共演で、シマノフスキの珍しい歌曲集。作品番号は31で、オリジナルはピアノ伴奏の6曲。第一次世界大戦中の1915年の作品です。
シマノフスキ自身がオーケストレーションしたのは3曲(1・2・4)で、残りはオラモによる編曲。今回が英国初演、ということは何処かで演奏されてきたことになります。NMLではヴァイオリンとピアノ編を聴くことができ、それによると6曲は、
「Lonely Moon」「The Nightingale」「Golden Slippers」「Dance」「Song of the Wave」「The feast」となっていました。管弦楽版もこの順序か否かは不明。

最後は特に書くこともありませんが、ラヴェルもシェエラザードを書いていることに気が付きました。これで演奏会が纏まることになります。

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