英国音楽の夕べ

今年のプロムスも愈々大詰めになってきました。9日の≪Prom 71≫はBBCコンサート管弦楽団の演奏会でしたが、これはパスすることにしました。アメリカのコープランド作品を前半に、ブリューベック作品が後半というものですが、個人的には守備範囲外という内容です。
そこで今回は10日のプログラムを聴きましょう。ラスト・ナイトを除けばホスト・オケたるBBC響最後のコンサートです。

9月10日 ≪Prom 72≫
ヴォーン=ウィリアムス/グリーンスリーヴスによる幻想曲
バートウィッスル/Exody
     ~休憩~
ウォルトン/ヴィオラ協奏曲
ヴォーン=ウィリアムス/交響曲第4番
 BBC交響楽団
 指揮/アンドルー・リットン Andrew Litton
 ヴィオラ/リス・ベルトー Lise Berthaud

2曲目のバートウィッスルは今年80歳ということで、プロムスでも集中的に取り上げられました。また3曲目のウォルトンも今年の隠れテーマ、シリーズ最後の演目となります。

曲間に拍手は入りましたが、1曲目と2曲目は続けて演奏されました。バートウィッスル自身も臨席しての演奏。バレンボイムとシカゴ響によって初演された作品で、30分近い大曲です。ブージーから出版されており、スコアも入手可能。
エクソディ―という単語はありませんが(造語でしょうか)、Exodus が「出エジプト記」であるように、何処かへ向けて旅立つ、という意味を含むものと思われます。

http://www.boosey.com/cr/music/Harrison-Birtwistle-Exody/2036

ウォルトンを弾いたペルーとは、フランスの若いヴィオリスト。この協奏曲は1929年のプロムスで初演されたもので、初演時のソリストはヒンデミットでした。
ウォルトンは1962年にこれを改訂しましたが、今回は改訂版による演奏。同じように改訂稿のある協奏交響曲はオリジナル版が紹介されましたが、こちらは改訂版というのが異なるところ。

最初と最後は第一次世界大戦に従軍したヴォーン=ウィリアムスの作品。静謐な幻想曲と、最も激しい交響曲で好対照を演出したコンサートです。

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