秋のキーンランド開幕

競馬ファンの目、今週はパリに集中しますが、アメリカも負けていません。先週はスーパー・サタデーに沸きましたが、今週もBCトライアルを含めて多くのG戦が行われます。
その一環、10月3日はキーンランド競馬場の秋開催が開幕しました。10月3日から25日までの短期開催ですが、秋のビッグ・レースが目白押しです。

そのキーンランドで昨日はG戦2鞍。2005年からポリトラック・コースが使われてきましたが、今年からは新たにダート・コースが用意され、新装ダート・コースで行われる初日。朝方の雨で馬場は wet-fast という走り易そうな状態でした。
先ずは伝統あるフェニックス・ステークス Phoenix S (GⅢ、3歳上、6ハロン)。勝馬にはBCスプリントへの優先出走権が与えられるレースで、1頭が取り消して7頭立て。G戦は初挑戦ながら、ダート・コースは滅法強い(8戦8勝)ワーク・オール・ウィーク Work All Week が2対1の1番人気。
最低人気(25対1)ジー・ブロス Zee Bros の逃げを2番手でマークしたワーク・オール・ウィーク、直線で抜け出すと、4番人気(6対1)シー・ジー C.Zee に1馬身差を付けて人気に応えました。2馬身差で2番人気(5対2)のバーン・アイデンティティー Bern Identity が3着。
ロジャー・ブルッヘマン厩舎、フロラン・ジェルー騎乗のワーク・オール・ウィークは、これで通算14戦11勝、着外は1回だけという堅実な5歳(せん馬)のスプリンター。前走アーリントンの一般ステークスは2着で、それまでの7連勝をストップされたもの。ここまで一般ステークスには4勝しており、G戦勝馬のタイトルを獲ってBCスプリントに挑戦することになります。

そしてもう一鞍が2歳牝馬のGⅠ戦アルシバイアディース・ステークス Alcibiades S (GⅠ、2歳牝、8.5ハロン)。これもBCジュヴェナイル・フィリーズの対象レースとなります。1頭が取り消して12頭立て、1戦して未勝利ながらゴドルフィンの期待馬ギャップ・イヤー Gap Year が2対1の1番人気。
しかし結果は大荒れ、10番人気(34対1)のテイク・チャージ・ブランディー Take Charge Brandi が逃げましたが、直線は後方に展開していた3頭が上位を占める劇的なレースとなり、前半後方2番手に付けた8番人気(23対1)のピース・アンド・ウォー Peace and War が、真っ黒になりながら馬群を割って鮮やかに差し切りました。半馬身差の2着は後方3番手に居た3番人気(5対1)のトップ・デサイル Top Decile 、1馬身4分の3差3着にも最後方のブービー人気(64対1)ペイジ Paige が突っ込んで観客を驚かせました。人気のギャップ・イヤーは中団のまま7着敗退。
オリー・スティーヴン厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のピース・アンド・ウォーは、これがアメリカ・デビュー。英国ケンプトンでデビュー勝ちし、ロイヤル・アスコットのアルバニー・ステークス(GⅢ)で6着、前走はヘイドックの一般戦で2着でした。皮肉なことに今回のメンバーでは、キーンランドで調整してきた唯一の馬。英国出身ながら地元馬という妙に馴染んだBCチャレンジャーとなりそうです。

 

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