今日の1枚(211)

ムラヴィンスキーの2枚目は3曲。これもドイツ音楽から始まり、ムラヴィンスキーとしては比較的珍しいものと思います。ムラヴィンスキーとEMIは連想が繋がりませんが、敢えてレアな音源から集めたのでしょうか。
全てレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したもの。

①ハイドン/交響曲第88番
②チャイコフスキー/幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
③グラズノフ/交響曲第5番

1枚目と同様全てライヴ録音で、最後の拍手も収録されています。①と③はモノラルですが、②のみはレッキとしたステレオ。恐らくソヴィエト国営放送の録音で、音質はライヴにしては良好といった程度。余り期待しない方が良さそう。3曲の特徴を簡単に記しておくと、

①の繰り返しは全て実行。別資料によると、1968年11月にレニングラードで収録されたモノラルのライヴ録音があるとされていますから、多分これでしょう。Venezia というレーベルから出ているCD16枚組に含まれている音源。

②はステレオだけに弦の配置が判ります。指揮者の左側からファースト・ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、セカンド・ヴァイオリンと並ぶ典型的な対抗配置。ロシアの伝統的な並びですね。最後はブラヴォ~が飛び交い、会場は大いに沸いています。
これも同じく Venezia から出ているCD16枚組の第1集に同じ内容の音源があり、それによると1983年3月19日にレニングラードのフィルハーモニー大ホールで行われた演奏会の録音。こちらもステレオと表記されていますから、恐らく同じものと思われます。セミョン・シュガルというエンジニア名も(録音のエンジニアなのかリマスタリングのエンジニアなのかは不明)。

日本では③を聴く機会は少なく、私はラザレフが読響を指揮したのを聴いたことがある程度。第5はグラズノフの交響曲の中では最も良く出来た作品で、もっと頻繁に取り上げられても良いと思います。第1楽章などグラズノフの「ライン交響曲」みたい。第2楽章スケルツォも魅力的。
これも①と同じセットに含まれている音源と同じと思われ、1968年9月28日にレニングラードで行われたライヴのモノラル録音とあります。しかし1968年の時点でモノラルという所が、如何にも旧ソ連なんでしょうか。

参照楽譜
①オイレンブルク No.487
②オイレンブルク No.840
③ベリャエフ Nr.505

 

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