2歳牝馬チャンピオンはこの馬で決まり!
12月のアメリカ競馬は、年末にサンタ・アニタで新シーズンが開幕するまでは静かに新しい年を待つという状態でしょうか、年末に大一番と言う日本とは大分趣が異なります。
12月13日に行われたのはG戦が2鞍、先ず南フロリダのガルフストリーム・パーク競馬場ではシュガー・スワール・ステークス Sugar Swirl S (GⅢ、3歳上牝、6ハロン)が行われました。レース名のシュガー・スワールはここフロリダで2008年にG戦に3勝した牝馬です。
fast の馬場に6頭立て。4対5の1番人気に支持されたアール・フリー・ロール R Free Roll は、4月から7月にかけてオノラブル・ミス・ハンデ(GⅡ)を含めて3連勝した馬。前走サラブレッド・クラブ・オブ・アメリカ・ステークス(GⅡ)は5着に負けましたが、GⅡ勝ちの実績が買われていたようです。
そのアール・フリー・ロールが先手を取って逃げ、直線半ばまでは先頭を守っていましたが、前半3番手を進んだ2番人気(5対2)のメリー・メドウ Merry Meadow が徐々に進出。2番手から前を窺う最低人気(18対1)のワイルドキャット・リリー Wildcat Lily と本命馬の2頭を纏めて外から交わし、ワイルドキャット・リリーに1馬身4分の1差を付ける快勝です。後方2番手から追い込んだ3番人気(7対2)のオル・ドンヨー Ol Donyo が頭差の3着に入り、アール・フリー・ロールは4着敗退。
マーク・ヘニング厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のメリー・メドウは、これで25戦7勝となる4歳馬。今年は2月にアケダクトでアローワンス戦に勝ち、バーバラ・フリッチー・ハンデ(GⅡ)が4着。続くベルモントでヴァグランシー・ハンデ(GⅢ)を制してG戦初勝利を挙げましたが、その後3連敗。前走ガルフストリーム・パーク・ウエスト(旧カルダー競馬場)で一般ステークス(スカイ・ビューティー・ステークス)に勝ってガルフストリーム・パークに初参戦していました。騎乗したカステラノはシュガー・スワールの主戦だった騎手。最も相応しい勝利騎手でした。
もう一鞍は、先週初めてG戦が行われたロス・アラミトス競馬場のスターレット・ステークス Starlet S (GⅠ、2歳牝、8.5ハロン)。もちろんハリウッド・スターレット・ステークスとして知られてきたレースで、初めてロス・アラミトスで施行。この競馬場では史上初のGⅠ戦でもあります。7頭が出走し、BCジュヴェナイル・フィリーズ(GⅠ)を大穴で制し、それがフロックでは無かったことを先日のデルタ・ダウンズ・プリンセス・ステークス(GⅢ)で証明して見せたテイク・チャージ・ブランディ Take Charge Brandi が6対5の1番人気。
テイク・チャージ・ブランディがいつものように先手を取り、他馬を引き付けながらの逃げ。直線、内から3番手を追走していた2番人気(2対1)のフェザード Feathered 、外からは2番手でマークしていた5番人気(15対1)のメイベリーン Maybellene に迫られましたが、何処まで行っても抜かせることの無い走りで、最後はフェザードに半馬身差、メイベリーンには更に首差で見事人気に応えました。大差ではなくとも渋太く抜かせない根性が彼女の長所でしょう。
ウェイン・ルーカス厩舎、ヴィクター・エスピノザ騎乗のテイク・チャージ・ブランディは、これでG戦に3連勝、二つ目のGⅠ制覇となりました。チャンピオン2歳牝馬のタイトルはこれで間違いないでしょう。ルーカス師はクォーター・ホースの調教師としてスタートした人で、ロス・アラミトスこそが経歴のスタートでした。1978年にサラブレッドの調教師として転身しましたが、古巣に戻ってファンを大喜びさせています。
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