今年最後の2歳G戦
毎週休みなくG戦が組まれているアメリカ競馬も、愈々残すところ2週間となりました。その最後から2番目に当たる土曜日に行われたのは、ロス・アラミトス競馬場の一鞍のみ。
旧ハリウッド競馬場から引き継いだロス・アラミトス・フューチュリティー Los Alamitos Futurity (GⅠ、2歳、8.5ハロン)です。ハリウッド時代のキャッシュコール・フューチュリティー CashCall Futurity は、当初1981年にハリウッド・フューチュリティーとして創設され、ハリウッドで33年の歴史を繋いできました。今年からはロス・アラミトスに舞台を移し、レース名も変更されて2歳最後のGⅠ戦として引き継がれ行くことでしょう。
今年は fast の馬場に僅か5頭立て。ここまでデビューから2連勝、ステークス初挑戦ながら評判の高いドルトムント Dortmund が3対5の1番人気に支持されていました。
レースは一斉のスタートから2番人気(5対2)のミスター・ズィー Mr. Z が先手を取っての逃げ、これをピタリとマークして3番人気(3対1)のファイアリング・ライン Firing Line が続き、やや離れてドルトムントは外の3番手。徐々に仕掛けたドルトムントが大外を回り、前を行く2頭との激しい叩き合い。最後は外ドルトムント、中ファイアリング・ライン、内ミスター・ズィーが横一線でのゴール。写真判定に持ち込まれましたが、首の上げ下げでドルトムントが優勝、頭差でファイアリング・ライン、ハナ差でミスター・ズィーで決着しました。3頭の叩き合いに、実況アナから久し振りに“What A Race !”のコメントが発せられています。勝時計1分40秒86はコース・レコードとなりましたが、そもそもこの競馬場のこの距離は今年から設けられたばかり、余り参考にはならないでしょう。
人気に応え、これで無傷の3連勝で3歳を迎えるドルトムントは、このレースに7勝目となるボブ・バファート師の管理馬で、マーチン・ガルシア騎乗。サンタ・アニタのデビュー戦を4馬身4分の3差で勝ち、11月29日の2戦目、チャーチル・ダウンズのアローワンス戦も7馬身4分の3差で圧勝した大物。このレースはダービーへのポイント対象にもなっており、勝ったドルトムントは10ポイントを獲得。既にチャーチル・ダウンズでも勝っており、現時点でのダービー本命に指名されています。父は2008年の2冠馬ビッグ・ブラウン Big Brown 、3代母がCCAオークス馬レイクヴィル・ミス Lakeville Miss という血統もクラシック級で、来年のクラシック路線はこの馬を中心に回っていきそうです。
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